マインドはどこまで鍛えられるのか ― 表層と無意識、人材開発の限界 ―
マインドはどこまで鍛えられるのか
― 表層と無意識、人材開発の限界 ―
これまでの回で、
• 評価
• スキル(知識 × 経験)
• 行動
を分けて整理してきた。
すると、必ず残る問いがある。
「結局、マインドが一番大事なんじゃないのか?」
今回は、この問いに正面から向き合いたい。
マインド万能論が生む混乱
ビジネスの現場では、
マインドという言葉があまりにも便利に使われている。
• マインドが足りない
• 意識が低い
• 覚悟が決まっていない
こうした言葉は、
説明した気になれるが、
何も構造を明らかにしない。
むしろ問題を個人に押し戻してしまう。
マインドは一枚岩ではない
まず重要なのは、
マインドを一つのものとして扱わないことだ。
整理すると、少なくとも二層ある。
① 表層マインド(意識できる部分)
• 前向き/後ろ向き
• やる気がある/ない
• 目標をどう捉えているか
これは自覚でき、
比較的言語化しやすい。
研修やコーチングが届くのは、
基本的にここまでだ。
② 深層マインド(無意識の前提)
• 失敗したら終わりだという感覚
• 評価を失うことへの恐れ
• 自分はここまで、という無意識の天井
本人ですら、
気づいていないことが多い。
そして重要なのは、
行動を止めているのは、
ほとんどの場合、この無意識側
だということだ。
なぜ「マインドを鍛えろ」は効かないのか
表層マインドに向けて、
• ポジティブに考えよう
• もっと主体的に
と言っても、
行動が変わらないことが多い。
それは、
無意識の前提が変わっていないから
だ。
深層マインドは、
説得や気合ではほとんど動かない。
人材開発で鍛えられるのは、どこか
ここで、現実的な結論を出す。
人材開発で直接鍛えられるのは、
• 知識
• 行動の型
• 表層マインド(認識・言語)
ここまでだ。
一方で、
• 無意識の前提
• 認知特性
• 興味の向き
これらは、
直接鍛えることはほぼできない。
それでもマインドは変わることがある
では、無意識は一切変わらないのか。
そうではない。
ただし、変わり方が違う。
無意識が動くのは、
• 環境が変わったとき
• 役割が変わったとき
• 人間関係が変わったとき
• 成功や失敗を繰り返し体験したとき
つまり、
教育ではなく、経験と環境によって
後から書き換えられる
マインドを能力に入れてはいけない理由
ここで、はっきりさせておきたい。
マインドは能力ではない
マインドは、
• 行動を生み
• 行動が経験を生み
• 経験がスキルを生み
という上流の条件。
能力の構成要素に入れてしまうと、
• 説明できなくなる
• 評価できなくなる
• 鍛えられる範囲が分からなくなる
結果として、
「結局マインドだよね」という
雑な結論に戻ってしまう。
マインドをどう扱うべきか
整理すると、位置づけはこうだ。
【連載】人のビジネス能力を構造で考える
2026.01.22
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シニアインストラクター
● 人材育成、DX・IT、コンサル、マーケの経験を踏まえて、人材教育の新たなアプローチを探求中 明大法なのに齋藤孝ゼミ🤣 教免3種ホルダー イノベーション融合学会専務理事 教育研究家、モノカキの時は、「富士 翔大郎」と言います。天才トム・ショルツの「BOSTON」と「マニュアル車」「海外ドラマ」をこよなく愛する静岡県民
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