「質(LTVの高さ)」と「量(件数)」のバランスを最適化するバランスベースドマーケティングの概要
リード獲得件数を増やそうとすると質の低いリードばかりが増える
SEO対策、ホワイトペーパー、メディア活用、広告、展示会、セミナーなど、リード獲得の量を重視した施策を中心に展開すると、リードの獲得の量は増えるが、質の低いリード(ICP非該当リード)が増える傾向がある。これはLBMの限界とも言える現象だ。質の低いリード(ICP非該当リード)が増えると、「営業送客しても売れない」「売れたとしても金額が低い」といった事態が発生する。こうなると、ICP非該当顧客が増え、マーケティングROMIが悪化するだけでなく、インサイドセールスや営業の工数が増大していくことになる。ただでさえ、人手不足、営業の高齢化が進む中、工数増大は非常に問題である。
量重視のマーケティングと質重視の営業で連携がうまくいかない
これは弊社のお客様からよく聞く話であるが、マーケティング部門は売上で社内評価ができないため、「リード獲得の量」で評価される傾向がある。その結果、マーケティング部門はリードの量を重視する。多くのリードを獲得すれば、社内から評価されるためだ。
逆に営業部門は、「売上」で評価される。そのため、10万円の売上を100社から獲得するよりも、1000万円の売上を1社から獲得する方がよい。その結果、営業部門はリードの質を重視する。
この結果、量と質で視点が合致していないため、BtoB企業ではマーケティングと営業の連携がなかなかうまくいかない。さらに、営業が属人化している場合、営業方針や営業戦略が社内に浸透していないケースもある。こういった場合、営業部門の担当者によって、「量を重視する担当者」と「質を重視する担当者」に分かれていることもある。こうなると、ますます営業との連携は複雑化していく。
質重視の営業が何らかの理由で急に量重視になる
量と質の問題をさらにややこしくしているのは、その時々で変わる量重視と質重視だ。変化する理由は、「予算未達」や「人事異動」などが挙げられる。例えば、「予算未達なのでリードの量が必要だ」「営業部長が代わり、量重視の方針になった」などである。
このように、その時々で、量重視か質重視かがコロコロ変わることもあるのだ。こうなると、ますます営業部門との連携は複雑になる。
質重視ばかりしているとビジネスをスケールできない
営業部門の要望に沿って、質重視のマーケティング施策を展開すると、当然、量が獲得できない。その結果、ビジネスがスケールできなくなる。常に、似たような顧客ばかり獲得し新たな市場開拓ができなくなるのだ。本来は、戦える他の市場はないか?を探すのもマーケティングの仕事であるが、それができなくなるのだ。
BtoBマーケティング
2024.08.24
2024.09.12
2024.09.29
2024.11.19
2025.03.13
2025.04.06
2025.04.29
株式会社ALUHA 代表取締役社長
BtoBマーケティングコンサルティングを展開。大手IT企業、製造業を中心に、伴走型コンサルティングを展開中。リソースを効率的に活用し、最小限の工数で効果を最大化するコンサルが得意
