地方に根ざし、マーケティングの力で地方・地域の文化・習慣を守るお手伝いをされている、株式会社HONEの桜井貴斗さん。社名の「HONE」は、「研ぐ」「磨く」という意味に加えて、「ほね【骨】」とも呼び、気骨あるお仕事の内容をお聞きしました。(聞き手:猪口真)
桜井 目的によって変わると思いますが、よくあるのが、同じ市区町村でも分裂していたり、業種業態、世代によって分裂していたりするコミュニティです。それぞれが再開発など同じことをやって小さくまとまって終わってしまうのは、地方ではあるあるです。例えばJC(青年会議所)と、そことは一線を画しているベンチャー、スタートアップがあって、お互いがお互いをよく知らないばかりに、それぞれが自分たちでやろうとして結局分裂している。その辺りを一緒に束ねていく、橋渡しをしていくような存在が増えるといいと思っています。
民泊を通じて地域を活性化
猪口 そういったコミュニティの中心的な存在となることを目指されているのでしょうか。
桜井 HONEとは別会社でAstlocal(アストローカル)という民泊の運営会社があるのですが、そこでイベントを開催したところ、地域の人だけでなく、東京や大阪やその他の地方からも直接足を運んできてくださる人たちが大勢いました。それで、イベントができる民泊というかたちで今進めています。自分たちが拠点となってローカルを観光で強くすることが、僕らの目指している方向性のひとつです。
猪口 事業として拠点を提供しながらそこに集う方々を集めるため、いろいろな工夫をしながら活動されているということですね。何か具体的な事例はありますか。
桜井 民泊を始める前にクラウドファンディングを立ち上げて、合計で500万円以上集めることができました。それもただお金を支援してもらうだけではなく、地域ボランティアの方が古民家の壁を塗ったり、畳を張り替えたりして、セルフリフォーム中心で民泊施設を作りました。僕らは観光客を含めインバウンドや国内観光客の方を中心にしようとしていたのですが、結果的には、古民家に携わりたい方、一緒にやりたい方が思ったよりも多くて、100人を超えるボランティアの皆さんに手伝ってもらったんです。僕らの想定以上に古民家再生に価値を持っていただけました。そういう意味では新しい発見になりました。
猪口 どのような民泊施設が完成したのでしょうか。
桜井 築90年以上の古民家を再生して、静岡市の港町「用宗」で民泊「ミクソロジーハウス(Mixology House)ふじや」をスタートしました。ミクソロジー(Mixology)とは、「混ぜる(Mix)」と「科学・学問(-Ology)」を組み合わせた造語で、フレッシュなフルーツや野菜、ハーブ、スパイスなどの素材をスピリッツと呼ばれる蒸留酒と組み合わせて作るカクテルやその技法を指すといわれています。国内外の観光客向けの民泊、地域住民の皆さま向けのフリースペースの利用を予定している私たちにとって、「いろんなものが混ぜ合わされる」という意味がピッタリだと感じ、「ミクソロジーハウス(Mixology House)ふじや」と名付けました。
インサイトナウ編集長対談
2023.08.28
2024.06.03