前回は「残念なDXからいかに抜け出すか DXにはマーケティングが欠落している?」(https://www.insightnow.jp/article/11950)と言うテーマでお話しいただきましたが、今回は、実際にDXソリューションを提供されているDHH合同会社 CEO藤川秀行様をお迎えし、DXの誤解と一向に進まない原因についてお話をうかがいました。
猪口 人が対応する場合と比較してデジタルのDECIBELが優れているのはどのようなところですか。
藤川 24時間365日、土日祝日、年末年始でも電話を受けることができます。また、分散して受けられるので、100本同時に接続することもできます。人間で対応しようとすると100人張り付く状態を作らないとならず現実的ではありませんが、DECIBELであれば非常に簡単に提供できます。
これまでのIVR(電話自動応答)は数字を押すのが基本で、名前や住所を入れることができませんでした。DECIBELは音声認識によって音声データからテキストデータに変えることができます。何もしなくても置いておくだけで、相応の問い合わせ、予約、資料請求等を受け付けることができます。
猪口 お客様が話す内容をテキストにしてくれるわけですね。そうすると取れたデータを分析したり、統計データとして整理したりもできますね。しかも人が打ち込むよりはるかに早く正確に。
藤川 そうですね。電話があったことをメールや社内SNS等で通知し、その後の業務フローでCRM(顧客関係管理)として管理し、MA(マーケティングオートメーション)まで流していく。セールスフォースのようなイメージです。DECIBELはそういった流れの電話の受け口だと思っていただければいいと思います。
富士 簡単な質問に答えられるということは、例えば「何時まで営業していますか」「今予約を取れますか」といったよくある質問に対して序盤にAIで答えることができますよね。問い合わせの8割が同じ質問だったら8割をカットできるわけです。複雑な内容だと難しいこともあるかもしれませんが、これができるだけでも有効です。
「見えるものでしか話をしていないからDXが進まない」
猪口 アナログとデジタルがきれいに結びついていますね。一方で音声データのDX化は一般にはまだなじみが少ないかもしれません。藤川さんはこれまでどのようなプロモーションをされてきたのでしょうか。
藤川 基本的にはSEOです。マス向けにはソーシャルメディアマーケティングをやっていましたが、B向けにはしっかりウェブを作り込んで、AI音声自動受け付けを使うことでSEOで上位にくるよう注力。ランディングページを作ってSEMをしてきました。しかし、そもそも電話に課題感がない。課題感を持っていたとしても、どう検索したらいいかわからない。どれだけウェブを作り込んでも、インバウンドを狙っていた層はなかなかきてくれません。
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残念なDX
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