マーケティングコンサルタント金森努様と人材開発コンサルタント富士翔大郎様をお招きして、「残念なDX」についてお話を伺いました。
金森 先ほどのDXの定義の話に戻りますが、「製品やサービス、ビジネスモデルを変革」「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革」と、「変革」という言葉が二度繰り返されています。大事なことなので2回言いますという感じで、変革すべきポイントの例が列挙されています(笑)。しかし「残念なDX」の多くは、真の「変革ポイント」が特定されずに取り組みが始まってしまっているように思います。
「DXという流行りに乗り遅れないように」するあまり、「変革をする」という目的と「DX(システム)」という手段が逆転してしまうのも、「残念なDX」です。DXがシステムを導入するプロジェクトになっているのもよくある話です。
「マーケティングの流れ」的に言えば、自社を取り巻く外部・内部、マクロからミクロまでの環境を明らかにして、その中で、ユーザーのニーズ及びニーズギャップを明らかにする。そして、業界内での勝ち残りの方法(KSF:Key Success Factor)という戦略の方向性を抽出して、その実現のための「真の変革ポイント」に手を入れていく方法を考えるということです。最低限のフレームワークで考えるなら、3C分析をして、KSFを出して、それを実現するためのバリューチェーン分析をするという流れです。つまり、技術やシステムを考える手前で、「マーケティング思考」が必要になってくるのです。
猪口 もともとマーケティングの中に変革志向があるということですね。イメージとして、マーケティングというと、現在のリソースを最大限にどう活用するかという発想になりがちです。
富士 DXという技術一体型ビジネスの言葉が大流行したことで、マーケティングがないがしろになって、技術先行の文化になり始めています。私はD X検定をリリースした後に、営業部門で展開しようとしたところ、業務とのフィッティングが悪いことに気づき、新たに「D Xビジネス検定」を提唱しました。これは私の中で大革命でした、「D Xは技術ではなくビジネスである」ことを発見したのです。ずっと「D Xはイノベーションである」と言っていたのですが、人財育成のプロとして、「D Xがビジネスである」ということにすぐに気づけなかったのは、私自身マーケティングが抜けていたという反省でもあります。だからこそ言いたいのは今こそマーケティング、問題解決についてリスキリングするべきだということです。AIやプログラムの勉強をする人が多いですが、ニーズ不在の技術を磨いているように見えます。さらに、経営者やマネージャー層がD X推進にあまり深入りしない、できない環境になっているところも多いようです。一方、現場は成果を出さなければいけない。これが今の日本企業の実態で、その結果、お客様や社会貢献よりも目先の利益に走ってしまうのではないでしょうか?
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残念なDX
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