マーケティングコンサルタント金森努様と人材開発コンサルタント富士翔大郎様をお招きして、「残念なDX」についてお話を伺いました。
DXにはマーケティングがない?
猪口 俗に言われるDXには、マーケティングがないということなのでしょうか。
富士 まずはマーケティングを学ぶことが前提です。ところが、DXで一番の鍵を握る多くのエンジニアがマーケティングを積極的には学んでいません。学ぶべき技術が多すぎて、エンジニアが学んでいるのはギリギリ問題解決です。なぜならシステム化=問題解決だからです。問題解決の手順と、できればマーケティングまでを含めて、まずは基本をもう1回見直して、DXだからといって特別な技術導入の進め方にするのではなく、今までやってきたことの延長上にDXを乗せるだけでいいと思います。Google社が動画サイトを作り、金に物を言わせて最新で便利なサイトでYouTubeなど他サイトを圧倒しようとしましたが、最後まで勝ち切ることはできず、Googleは世の中が求めているものが、最新の技術を駆使した便利さだけでないと気づき、勝負を諦め買収に動き、世界中に衝撃を走らせたのは有名な話です。とかくM&A部分に注目が集まりましたが、Googleが白旗を上げたという事実が忘れられません。これは素晴らしい事例だと思います。Googleのスーザン・ウォジスキ氏が「誰でもクリエイターになれるし、人々は様々なクリエイターの作品を見たがっていると気づかされた。」と語っているが、これこそが世界のニーズでした。そしてビデオサイトを持つ多くの企業がこれに気づいていなかったということなのです。これに気づかず莫大な投資をしてもGoogleは勝つことができなかったのです。このエピソードはまさに「イノベーションは、成功するまでその姿を誰にも見せない(事前にわかるものではない)」という私の持論にピッタリですが、だから何もしないのではなく、ビジネスの基本である「マーケティングを学び、問題解決のスキルを生かす」。この二つを確実にすれば、「残念なDX」ではなく「羨望のD X」にかなり近づいてくのではないでしょうか。できあがった時にいらなかったとはならないはずです。問題解決をしっかりやらないと、問題が起きた時に手順が分からず、いきなりソリューションに飛んでしまったり、さらにそのソリューションがイマイチだったりもします。だからこそもう1回基本に返って「D X推進のフローをビジネスの進め方」として見直すことが処方箋なのです。
猪口 今までのマーケティングを使ったバリューチェーンのプロセスと、DXが絡むバリューチェーンのプロセスは異なりますか。
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残念なDX
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