マーケティングコンサルタント金森努様と人材開発コンサルタント富士翔大郎様をお招きして、「残念なDX」についてお話を伺いました。
このようにユーザーインターフェースがあまりよろしくないのは、それが人手不足を補うための施策になっているからだと思います。これまで企業は、お客様にとってどれだけメリットがあるかが重要だと学んできたはずです、ユーザーメリット、バリューを出さなければなりませんし、ホスピタリティも顧客満足ひいてはL T Vに繋がること、そしてDXが結果的に世の中にプラスになることが大事だと思います。つまり、変革を起こすということ。変革の先は社内を良くするためではなく、世の中を良くすることだったはずですが、今のD Xにはなぜかこの点が欠けて見えることが多く感じます。
金森 経済産業省が令和4年9月にまとめた『デジタルガバナンス・コード2.0』によれば、DXの意味として、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義されています。ここで注目すべきは、「顧客や社会のニーズを基に」と、明記されていることです。決して「モノ・サービス=ウォンツ」や、「技術=シーズ」から考えるのではないということです。「顧客のニーズを明確化して、深掘りすること」は、マーケティングの「基本のき」なのですが、実に多くの人が「ニーズ」と「ウォンツ」を取り違えています。
私が研修でよく使うネタなのですが、砂漠をさまよい歩いて足元はフラフラ、汗だくで今にも倒れそうな男の絵を見せて、「彼のニーズは何か?」という質問をします。すると、ほとんどの人が「水」と答えます。しかし、水はニーズではありません。男のニーズは「喉の渇きを癒したい」であって、ウォンツが「水」なのです。
ウォンツやシーズ、つまり「システムや技術ありき」でスタートして、ユーザーのニーズに応えていない、ユーザーを幸せにしていないのであれば、それは間違いなく「残念なDX」です。例えば、ユーザーのニーズが「早く帰ってプライベートの時間を増やしたい」なのに、なぜだかシステムを導入して業務が複雑化し、残業時間が増えてしまうようなことが起きてしまうわけです。とてつもなく残念DXですが、こういうことはよくありますよね。
富士 残念ながら、一見最新技術が目につくD Xは日本が得意とする技術優先のプロダクトアウトを助長し、マーケティングを後退させているように見えます、その結果導入したのに社員やお客様に評判が良くない、売り上げにつながらない「残念なD X」を量産しているのではないでしょうか?
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