/会社勤めなんかで若いうちの貴重な時間と労力をムダに費やすのは、勝ち目のないゲームに溺れるのと同じ。起業や投資で巨万の富を得ようなどという野心も、日本経済、世界経済の激変の中では、嵐の波間に漂う小舟も同然。もっと手堅く、人に振り回されず、生活資本を確立する道を若いうちに考えろ。/
ようするに、どんなにがんばって企業勤めしても、いまはもうそれは、ほぼ確実に負けが確定してしまっている。競馬やパチンコに熱中して身を滅ぼす連中を笑えた義理ではない。かといって、個人事業主になって一旗揚げよう、なんていう甘い考えも止めておけ。上述のように、日本の経済構造そのものからして激変する。大企業にぶら下がったところで、富裕層にひれ伏したところで、それらもみんな奈落へ道連れだ。
リスクヘッジという意味では、いかに没落確実の日本経済から距離を取るか、が重要になる。つまり、貨幣経済からの離脱だ。そのためには、まず徹底的な費用削減。そして、名目上の収益金額より、実質的な生活向上。現金収入に頼らず、費用の多寡以前にそもそも税捕捉もされず、安定して喰っていけて、定年も無しに世代交代で継続できるゴーイングコンサーン。
会社勤めなんかで若いうちの貴重な時間と労力をムダに費やすのは、勝ち目のないゲームに溺れるのと同じ。起業や投資で巨万の富を得ようなどという野心も、日本経済、世界経済の激変の中では、嵐の波間に漂う小舟も同然。もっと手堅く、人に振り回されず、生活資本を確立する道を若いうちに考えろ。ただまじめに勤めてきたせいで人生を失敗した初老世代からの、心からの忠告だ。
経営
2023.03.11
2023.06.10
2023.06.13
2023.08.21
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2023.10.09
2023.10.22
2023.12.07
2024.02.20
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。