少子化と拝金主義:文明論的成長限界

2023.03.11

ライフ・ソーシャル

少子化と拝金主義:文明論的成長限界

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/ローマ帝国をはじめとして、文明はある一線を越えると、かならず衰退する。社会ゲームの勝者が確定的になってしまうと、絶対的に勝ち目が無くなったその他の絶望者たちは参加意欲を急速に失い、社会そのものが空中分解してしまうからだ。/

医療や福祉、警察や消防、自衛官、学者や教員、職人、ボランティア、そして、子育てにがんばる人など、いっそ多種多様な勲章でも、もっと一般の現場の人々にまで乱発して、それぞれ公営住宅優先無料入居、公立学校優先無料入学、各種審査保証人保証金免除、等々、ゴールド免許のように恩恵特権を与えてはどうか。たとえば、通勤や買物の途中で寄れるよう、街中に離乳食やおむつが無料の豪華な子連れラウンジなどを作る。航空会社などでもやっていることなのだから、行政でできないことはあるまい。実際、中国などがやろうとしている信用スコア制も、これに近い。もちろん、政府に都合のいい人々ばかりが評価されるというリスクはあるだろうが、それでも、貧乏でも立派な人や努力している人に、プライドを取り戻すチャンスが開かれる。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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