「全身企画屋」と自らを語り、現在は福岡の地で活躍される中村さん。いまでも多数の企業の顧問を務め、変幻自在な仕事っぷりとそのスタイルは、あらゆるナレッジワーカーが参考になるはずです。 インサイトナウをはじめ、アウトプットを出し続ける中村さんにお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)
猪口 素晴らしいですね。先ほど、自分の力をつけていくためにアウトプットを常に出し続けることが大事だ、というお話をしていただきました。例えば、社長と喋る力、世渡りの仕方など、自分の力はどのように磨いていけばいいでしょうか。
中村 facebookに毎朝投稿していると、「よくネタが尽きないですね」と言われますが、これは、世の中全部をネタだと思って見ているということなのだと思います。「すべてのものがネタになる」と思って生きているような気がします。私はプランナーであって、自分をコンサルタントだとは思っていません。問題解決しようだなんてさらさら思っていないし、楽しければいいだけです。クライアントのところに行くのも、問題を解決するために呼ばれているわけではなく、「面白い話をしようぜ」「良いところを伸ばしたらこんな未来あるんじゃない?」「こんなことをやったら面白くない?」みたいな話をしに行くことしか考えていません。
猪口 思いっきり昭和じゃないですか(笑) ホイチョイさんの作品の影響で、僕も広告業界は楽しいところだと思っていました。僕の印象としても、今の30代40代は、50代もそうですが、コンサル志向な気がします。
中村 なんでそんなに賢そうな格好をするんでしょうか。マーケティングの世界に限っても、ワタシを上位互換できる賢い人なんて山ほどおられます。でも、賢い人が成功するなら、賢い人はみんな成功していますよ。賢い人は大勢いるので、ちょっとバカなふりをしていたほうがよっぽど稼げるじゃん!と思うんですよ。
猪口 今日の真髄ですね。
検索に引っかからないことを喋る
中村 AIが世の中に出てきたら、AIのほうが賢いわけで、それにどうやって勝ちますか。いかにバカでいられるか、いかに愛嬌があるか、そういったことしか勝負にしかならないはずです。世の中の情報は全部繋がっているので、インプットではスーパーコンピューターには絶対に勝てません。だから、検索できることを喋っていてもしょうがないわけで、検索に引っかからないことを喋らないと意味がないと、常に思っています。コンサルタントはネット上にある情報や誰かが書いた本を勉強しているから、企画書が書けて、提案ができるのでしょう。でも、「そんなの面白いか?」と思うわけですよ。「そんなのちょっと賢かったらできるじゃん」と。それよりもっと面白いことをやろうと思って、やり続けて、それを受け入れてもらっているのだと思います。50歳を過ぎた頃からは、コンサルタントではなく、プランナーでもなく、福の神でいようと思っています(笑)
次のページ説得力は人柄と言葉が一体化されたもの
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
インサイトナウ編集長対談
2023.03.24