人材不足を理由に新事業創出の取り組みをストップしてはいけない

画像: Steve Jurvetson

2021.03.24

経営・マネジメント

人材不足を理由に新事業創出の取り組みをストップしてはいけない

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

適切な人材がいないせいで新事業創出の取り組みが迷走したり頓挫したりすることはよくあること。それでも、人材不足を理由に取り組みそのものに消極的になるのは間違っている可能性が高い。

このアンケートでは「新事業を創出する際の課題」も尋ねている。複数回答を許しているが、55%の人が「適切な人材の投入」を挙げており、断トツの1位だ(他には「魅力的な案を出すこと」や「経営トップのリーダーシップ」などが4割程度で続く)。

この回答結果は全く意外ではない。似たようなアンケートでは、毎度ほぼ間違いなく1~2位あたりに入ってくる項目だ。しかも昔からそうだ。

つまり新事業を推進したいけど、それに適した人材が社内になかなか見つからないのでなかなか進まない、または迷走・頓挫してしまうというのは、現実の悩みではあろう。新事業に取り組む企業にとって「適切な人材の投入」というのは永遠の課題と言っていい。

人材の育成が既存事業を念頭に置いて、かつOJTを中心に行われているのが、大半の日本企業(大企業でも中小企業でもそう違わない)の現状だから、「新事業創出に向いた人材」を育てるノウハウが確立しているケースは稀だろう。ある意味、この傾向は当然だ。

しかし肝心なのはここからだ。「適切な人材がいない」と愚痴をこぼしているだけでは物事は進まない。

小生は猫も杓子も新事業創出に積極的になるべきだとは考えていない。むしろ、まずは本業をしっかりと安定させるのが大半の企業にとって先決だと思っている。そして「とりあえず新事業創出に取り組みましょう」と安易に薦めるつもりもない。新事業創出に注力するなら、きちんと戦略を練ってから取り組むべきだと考えている。

しかしその上で、戦略的に考えて新事業創出に取り組む必要があると判断したのなら、「適切な人材がいない」ことを理由に立ち止まることは間違っている可能性が大いにある。本当に新事業推進を進めたいのであれば、少なくともやる気さえあれば、手がない訳ではない。

例えば、として挙げれば次の通りだ。

  • 1)社内でやる気のある人材を募集することで、やる気はあるが「埋もれていた人材」を発掘できるかも知れない。
  • 2)(社内に不足しているなら)社外に人材募集を掛けることで、経験とスキルを持つ人材を獲得できるかも知れない。
  • 3)適切な他社に声を掛けることで、自社に欠ける部分を補いリスクを軽減できる協業相手が見つかるかも知れない。

「適切な他社」が自社だけでは特定できない場合、付き合いのある金融機関や地域の商工会議所、その他のサポート機関に相談してパートナー候補を紹介してもらうこともできる。事実、弊社の某クライアントでは1)も2)も実施済だし、3)も何とか探し出せることが多い。

どうだろう、あなたの会社でも前向きに考えてみては。
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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。                     ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/                 ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/     

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