コロナ後の企業変化、就活学生はどう見ているか?

2020.07.10

組織・人材

コロナ後の企業変化、就活学生はどう見ているか?

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

前代未聞の体験となったコロナ過ですが、とりわけ就職活動をする学生にとっては、わずか数ヶ月の差が人生が変わるほど大きな違いとなってしまいました。2020年2月までと、3月以後は別世界の就活が待っていたのです。そんな学生たちにっとて今、「企業」はどんな風に見えているのでしょう。

「商談は面と向かって差し向かいが当然。インターネット経由のオンラインなんてお客様に説明できない」
「オンラインで会議では味気ない。会議後の懇親会含めて『会議』であって、出張は無くせない」
「お客様のところに駆けつけられないなんて仕事にならない」
「お客様に説明できない」
「お客様から呼ばれれば対応するしかない」
こんな横柄で俺様なお客様しかいないのでしょうか?貴社の客筋って、そこまでバカ揃いなんでしょうか?

逆に感染症をBCPリスクととらえ、適切な対応をしたいと考える顧客からすれば、「今すぐ伺ってご説明いたします」なんて態度は大迷惑です。そのような感染症対策を考えられない人物はどこでリスクを自社に運んでくるか、およそ信用などできません。

本当にお客様がそんな無体な要求をしているのか、私は疑問に思います。マスクをすると失礼と考える顧客「だけ」で経営が成り立つなら、そういう人たちとだけ付き合えば良いでしょう。しかし多くの物言わぬ、真摯に感染症対策を考えるお客さんからの信用を失っていることまで頭は回っているのでしょうか?

コロナなんて風邪と言っている政治家もいますが、そうした姿勢はお客様ではなく、自分たちが志向しているのではないのでしょうか?

4.学生と考える「危険企業」の体質
学生と話していて、彼ら彼女らが不安に感じる要素がある程度見えてきます。
・社長自ら飲みニケーションをアピールする会社
・「残業大好き社員」が大好きな会社
・リスク感覚の無い「台風でも這ってでも出社」美談大好きな会社
・「夢」が大好きな会社
かなりのニオイを発しています。これらがダメとか悪いという意味では全くありません。その実態をしっかり学生に伝えなければ、ただのブラック企業と勝手に思われる可能性があるという意味です。

コロナ対応で自社の対応で採用どころでない企業も多々あったでしょう。しかし応募者ほったらかしで数ヶ月採用活動を中止というか、放置する企業もありました。そういう態度はしっかり学生から見られています。

コロナ対応で、旧来の風習を変えることに抵抗する企業とは、すなわち変化対応を拒絶する体質だと考えられると思います。口先だけで改革だの成長だのうたっていても、コロナはその本質を露わにしています。繰り返しますが、あくまで経営方針はその会社が独自で決めるものであり、コロナ対応をしようがしまいが自由です。しかし会社を選ぶ学生にとっては、説明会で社員が説明した「当社の社風」のようなただのCMより、面接対応、選考対応で見られる企業体質の方が、何倍も説得力ある判断材料だと思います。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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