収まる気配の見えないコロナ渦ですが、経済にも深刻な影響を与え始めました。接客業や販売業は大ダメージを受け、今のところ回復の見込みも見えません。また新卒学生の合同説明会は軒並み中止され、就活学生も採用企業も右往左往しています。そんな中、ついに「コロナ内定切り」が勃発しました。
誰も予期しなかったコロナ渦ですが、一度でも内定切りをすれば永久に新卒を採れなくなる覚悟はできるでしょうか。内定切りをした記録は永久に残り、「内定切りをした会社」という烙印がつきます。そしてこの先ずっとインターネットの海の中にその記録は残り続けます。
そうはいってももはや新卒採用余力も尽きてしまったという会社。内定取り消しは「解雇の4要件」と同じと理解して下さい。日本では正社員を解雇できない高いハードルがあります。しかし「(整理)解雇4要件」を満たすことで、人員削減は不可能ではありません。つまり内定切りをするということはその要件に相当する「経営危機」であることを公にすることを意味します。
経営悪化程度ではなく、倒産がカウントダウンに入るほどの経営状態であることが、数少ない内定切りを選択肢にできる状況です。政府は雇用調整助成金の特例追加を発表しました。とにかく使えるものは何でも動員して、最悪の事態を避ける努力をしていただきたいと思います。
4.それでも内定切りされた学生はどうすべき
私が担当する学生であれば、もはや内定切りする企業は倒産寸前だと考えるべきだと説明します。気持ちを切り替えて、その上で今から採用できる企業を探しましょう。
例えばマイナビ「2021」(2020は既にクローズされました)では「既卒可」という企業検索ができます。恐らく1万社を超える企業が既卒者を求めています。コロナ禍が理由で内定切りにあったことを堂々と伝え、堂々と就活しましょう。少し入社時期が遅くなることはあるかも知れません。しかし21卒就活の、現学部3年/修士1年より早く入社できる可能性も十分あるでしょう。
人手不足状況はB2B系製造業でまだ続いています。今から知名度のある大手人気企業などを狙ったりしなければ、十分可能性はあります。学生に何一つ落ち度のない理由による再就活です。同じ目にあった人などまずいませんので、過去の事例や周囲の雑音など一切無視して、キャリアセンターと協力の上でガンガン進みましょう。
内定切りした経営危機企業などより優良なB2B企業への道が開けるかも知れません。 一度は就活で勝利した経験を、今一度思い出して下さい。ガンバリましょう!
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2021.01.18
2021.02.14
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。