レバノンに逃亡したゴーン被告の記者会見が行われましたが、その内容は自己弁護と激しい日本の司法批判に終始し、対する日本からは批判の声が多く聞こえます。ゴーン会見からは何も新たな情報は無く価値がないと評する司法専門家や、犯罪者のくせに自己弁護と自画自賛ばかりで許せないと声高に反発する、日本のおじさんたちとグローバルコミュニケーションのギャップを感じました。
起訴されれば99%有罪という日本の司法制度はやはり大きな違和感があるものと思います。また推定無罪がほぼ機能しない日本のマスコミ含めた現状は、大きな問題があると感じます。しかしこうした日本の独自性やその主張、制度の正当性を訴えたいのであれば、残念ながらゴーン氏のようなパフォーマンスができなければ、そのメッセージは届かないでしょう。
私は会見でゴーン氏の正当性だけが理解されたとは全く思いません。「勝手なこといいやがって」と反発を感じる外国人もいくらでもいることと思います。しかしそれに対するカウンターメッセージを打てなければ、「自分の業績貢献はそこそこです」と転職面接で言ってしまう人と同様に、その真価を理解されることはないと危惧しています。
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2009.02.10
2015.01.26
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。