経営戦略の基本的な内容を解説していく内容です。構文という意味はバラバラに読んでもそれなりに意味がわかって読める、定型化されているということですが、読み物としてもそれなりに読めることを目指します。
このマーケットシグナルの調べ方などもポーターは事細かく説明しておりますので、興味がある方はぜひ、ポーターの「競争の戦略」をお読みください。
そんな暇がない企業の方は、私に相談してくださいね。調査なども有料にてお引き受けいたします。
では、競合との競争の落としどころ等を知るために、抱いている仮説や将来の目標についてポーターが言っていることを簡単に挙げてみます。
競合の盲点、競合の歴史、経営者とアドバイザーの経歴の大きく3つですね。この3つを調べれば、将来の目標や抱いている仮説が見えてくると言っています。
盲点というのが分かりにくいと思うのでポイントを簡単に言うと、その会社が時代遅れな考え方みたいなものに囚われていないか?ということでしょうね。
大企業は相変わらずマス広告にお金を垂れ流して、デジタル化したらデジタル広告にカネを垂れ流せばいいと思っているケースが多いですよね。こういうのを見たらチャンスだと思えばいいわけです。相手が広告に無駄金を使う間に、UXをしっかり磨き上げればいいとかそういうアクションが打てます。「UXなんてみんな同じだろう。すぐにマネできるだろう」と思っているならばそれが盲点でしょうね。
また、競合企業の歴史やら、経営者の経歴などを見るのも大事です。特に黒歴史に着目してください。盛大にリリースしたけれど失敗したケースなどを見ると、こういうことはもうできないだろうとか、そういうものは予測がつくし、経営者の経歴やらインタビューを調べれば、どういう施策が好きかとかそういうことも分かります。ただ、日本はミドルが現場を支配している面もあるので、ミドルクラスの人たちを知らないと施策が見えない場合もあります。
もしくは、アドバイザーを見ればいろいろ分かるでしょうね。広告代理店とずぶずぶだとか、新しいコンサルティング会社を使い始めたとか、そういうことが分かると、いろいろと見えてくるものがあります。
こういったことを調べて、①~④の要素をしっかり埋めて、先に挙げた問いに答えられるようにする。再掲すると、
・競合は現在のポジションに満足しているか?
・競合は今後どんな動きを見せ、どんな戦略変更を行うか?
・競合の弱点は何か?
・競合のリベンジが最大になり、最も効果的に展開されるのは、当社がどんな行動をおこしたときか?
といったことですね。そして、競合との競争の落としどころを見て行けばいい。出し抜けるなら、当然、出し抜いてもいいんですよ。とても難しいですけどね。
以上のようなお話がポーターが1980年の「競争の戦略」で言っている競合分析になります。それでは今日はこのあたりで。なかなか書く時間も取れませんが、書いていければと思います。次回をお楽しみに。
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。