何度となく大災害に狙われる2018年。大阪のような大都市でさえ水没してしまった台風の中で、デリバリーピザの配達バイクが横転する事故もありました。これらへの対応はどうなっているのでしょうか?
3.地震でもインフルエンザでも出社する美学
大阪の知人もこの台風下で出社を強要されたようですが、そもそも通勤もままならない環境下で、通常のサービスを提供しなければならない理由は何でしょうか?おそらくそのような視点は全く抜け落ちた経営で、「這ってでも出社しろ」というパワハラが横行するのだと思います。
通常の経営環境下で通常のサービス提供を行うことは当然で、一般的なサービス価格はこうして決まっているはずです。ところが「通常ではない」環境下でも通常通りのサービスを提供する義務は、本来はありません。電車が止まっているなら自家用車で通勤するのは自由ですが、その経費と荒天下でのマイカー通勤による二次被害三次被害が出れば、そのコストは会社だけでなく国や地域の負担になります。
「何が何でも出社」というバカげた社風は単なる自滅では済まず、納税者全部への大迷惑でもあるのです。経営者はこうしたコーポレートブランド毀損の危機をどこまで認識しているのでしょうか。もしこうした出社の可否などまで中間管理職や、まして実質「名ばかり」管理職にすぎない店長などに任せるような経営者は、どれだけ儲けていたとしてもまともな経営者と呼ぶべきではありません。
「儲けた者勝ち」が価値観だとしても、インチキして金儲けをした者を認めてはならないのです。それを認めるのは犯罪で捕まらなければ何をやってもかまわないと言っているのと同じでしょう。私はこうした間違った経営が一日もはやく罰を受けてくれればと思っています。
一方、その分消費者として、電話一つで荒天でも出前してもらえる便利さは諦めます。また物価が今のような水準で今後も続くことは、ズル勝ちを認めるだけだと思っているので、値上げを覚悟しています。良いとこ取りだけで自ら痛みを味合わない経営者も消費者も、ぜひそのツケを払ってほしいと思っています。
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2019.09.12
2019.11.11
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。