ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。
仮説思考の大学生は、マーケットで起こっていることの深層まで仮説を展開できることもある。そして、マーケットがこうなっているから、こういうアクションがありえるという、全体のストーリーまで紡ぎだせることもある。つまり、全体を系、システム、あるいはモデルとして捉える認識ができているということです。しかし、再現性はあまりない。そういうレベルです。ただ、このレベルであっても、実感を伴って理解することはとても難しい。
とりあえず、仮説思考の大学生レベルには達して欲しい。そうすれば、たまにはいい企画ができるようになります。たまにいい企画が出れば相当なものです。
ただ、この仮説思考の大学生の認識に至ったとしても、仮説がそんなにすらすらとよどみなく出てくるものでもない。どうしても経験を積み重ねる必要がある。
では、順にどのようなことを学べばいいのか?を見ていきましょう。
まず、仮説思考の小学生。
あなたがいるのがこのレベルであると思うのであれば、仮説というものはなんなのか?を知りましょう。
本当に簡単に言えば、「現状の情報量で考えうる仮の結論」が仮説です。情報量がなくても、結論が出るの?と思うかもしれませんが、人間にはなんとなく正しい答えを出す能力がどうも備わっているようです。
よく言うのが、メンデルの法則を発見した生物学者メンデル先生の話です。
彼はえんどう豆を何世代も何世代も育てるという実験をしてメンデルの法則を検証したと言われます。なんとおよそ8年間の実験を続けたのだそうです。しかし、これだけ長い期間だったとしても、統計学的にはメンデル先生の試行回数では、法則が出てくるほど、結果が収束していくわけがない、と言われています。この結果がでる確率は1万分の1以下だそうです・・・。
どういうことか?
ここには2つの可能性があります。メンデル先生がデータを自分で作ってしまったか、たまたまそうなったかの2つです。
本当にデータをメンデル先生が自分でつくってしまったのか、たまたまそうなったかはわかりませんが、メンデル先生には、はじめからこの結果が見えていたのでしょう。メンデル先生が結論が見えていたとして、これが人間の仮説を作り出す力の例ですね。
まず、これぐらいのお話を知っていれば、仮説思考の中学生レベルまでは行けます。
では次に中学生。
特に企画にかかわらない人は、仮説思考の中学生レベルで止まっている人も多いと思います。「ブレストをした、出てきたアイデアをまとめた。おしまい。」というレベルです。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ロジカルシンキングを越えて
2018.06.11
2018.06.27
2018.07.05
2018.07.19
2018.08.06
2018.08.23
2018.09.01
2018.09.14
2018.09.26
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。