「マーケティングは難しい」という人の多くは、フレームワークを知らない・正しく用いていないという場合が多い。そのため、当連載では、フレームワークを行う上で「陥りがちな落とし穴」を時に事例も使って解説してきた。 しかし、マーケティングはフレームワークを使う以前に絶対守らねばならない「大原則」がある、今回はその点を取り上げてみたい。
【ゴール】
「流れ」を完成させる過程で常に「整合性(要素同士が噛み合って効果を出している状態)」を意識して、最終的には「全体として整合性のある全体プランを作り上げること」。
【基本構造】
・環境分析
PESTでマクロ環境分析から、5Fで業界環境(連載第4回)、3Cで競争環境(連載第1回)、VCで自社及び競合のコスト構造と強み弱みを分析するという、マクロからミクロまで徐々に落とし込んでいく。もちろん、目的に合わせて単独のフレームを抜き出して使用することも可能だ。
・市場機会・事業課題の抽出
環境分析のゴールはフレームによる情報整理ではなく、「何が言えるのか」という解釈を示すことがどのフレームでも必須だが、特に上記の一連の分析を行った結果をとりまとめて「市場機会・事業課題」という戦略の方向性を示すにはSWOT分析(連載第2回)が向いている。
・戦略立案
マーケティングのまさに中心部分が、この部分である。別途稿を改めて述べるが、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(略して概説しておくと・・・
-セグメンテーション=対象範囲の中で”同質のニーズ”に注目してカタマリに括ること。
-ターゲティング=魅力度を評価して最も魅力的なカタマリを選ぶ。
-ポジショニング=ターゲットの二軸のマップを描いて、競合より魅力 あるポジションを取る整理をする。
・4P
(マーケティング・ミックス」とも言うが如く、ここまでの環境→STP→4Pという「縦の整合性」だけでなく、この4P相互の「横の整合性」とも言うべき、「個々の要素が噛み合ってより効果を挙げる=ミックス」ということが求められる。4Pの個々の要素に関するポイントは細かくなるので、また稿を改めて解説したい。
【使いこなしのキモ=「戻る!」ということ】
プランニング中に「不整合(もしくは、違和感)」を発見したら、1つ手前のプロスに「戻る!」ということが重要。例えば、競合優位なポジショニングが上手く取れないのであれば、ターゲットが間違っている場合もあるので、1つ手前のターゲティング決定の検討段階まで「戻る!」。その結果、そもそもターゲット候補として挙げられたセグメントの設定に問題があるようなら、セグメンテーションのやり直しの段階まで「戻る!」。また、優位なポジションが取れないと言うことは、競合の設定が間違っている場合もあるので、環境分析の3C分析まで「戻る!」。
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フレームワーク
2015.07.17
2019.04.08
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。