ナレッジワーカーが何か知的生産物を完成させるとき、クリエイティビティを発揮してサービスや売上を作り上げるとき、そこにはどのようなプロセスが存在するのだろうか。
商品がモノからナレッジへ
ナレッジワーカーが何か知的生産物を完成させるとき、クリエイティビティを発揮してサービスや売上を作り上げるとき、そこにはどのようなプロセスが存在するのだろうか。
ビジネスにおけるプロセスといえば、まず思い浮かぶのは、モノを製造するサプライチェーンだろう。
たとえば、今年の新商品をつくろう、となったとき、商品の設計図をつくり、その設計に合わせたラインをつくり、実際に製造する、そしてその製品が出荷され売れることで売り上げ数字となり、明確な数字としての結果が出る。
もともと、ナレッジワーカーは、こうしたサプライチェーンをマネジメントする立場であり、ある意味、ものづくりプロセスの補完的な役割だった。
ものづくりが最大限の効果を出すために、どうすればいいかを考えるのが役割であった。
そのマネジメントの方法によって、ものづくりの生産性は2倍にも3倍にもなった。まさにナレッジによって生産性が変わる時代となった。
それが徐々にナレッジ自体が商品やサービスとなることが増えてきた。そして生産性をあげるべくサプライチェーンや生産ラインがないビジネスがむしろ多くなっている。
ナレッジワーカーとは
そもそもナレッジワーカーというのは、どのような職種を指すのだろうか。
いわゆる「士業」と呼ばれる専門職の人たちは間違いなくそうだろう。デザイナーやコピーライター、プログラマーといった専門領域におけるナレッジワークも、古くから存在していた。これらの職業に関しては、養成する学校もあるほどだから、アウトプットを生み出すプロセスは存在する。大きな意味では教師もそうだろう。
しかし、現在では、コンサルティングビジネスをはじめとして、専門職でなくとも、ナレッジによるアウトプットが必要な仕事が大半を占めるようになってきた。
まず、事業の経営者、経営にかかわる人たちが日々行う事業戦略の立案、計画は、ナレッジワークそのものだ。しかも、数ある事業戦略の中から、最適なものを意思決定しなければならない。
ただし、大半のビジネス・パーソンは、経営者ではない。組織上層部からの指示に従って動く人たちだ。
たとえば営業職。これはナレッジワーカーだろうか。
自ら営業戦略を練り、マーケットを開拓する、あるいは、新規の顧客へ新たな需要を起こすアプローチを考え、実践し開拓していく、あるいは、クライアントからの依頼に対して、どうすれば解決できるのかを考え、解決策として提供し、利益を得る、こうした活動は。もちろんナレッジワークだろう。
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2009.10.27
2010.03.20