/壬申の乱の後、渡来人たちは三河に入植し、信濃の養蚕絹糸を織るようになった。しかし、702年、東海一帯は台風の甚大な被害を受け、すでに譲位していたにもかかわらず、持統上皇は、その見舞いのために、みずから遠く浜名湖まで訪れた。/
ひょっとすると、持統女天皇は、不老不死の霊薬として、真っ赤な辰砂をみずからも服用していたかもしれない。これには圧倒的な消毒殺菌効果があり、負傷や解毒にはたしかに即効性があるらしい。しかし、長期的には、当然、水銀中毒になる。じつは、吉野川上村、伊勢和歌山、浜松引佐を繋ぐ共通のものは、天然のマンガン鉱。湧き水にかなりの量が溶け出しているところがある。体内水銀の吸着排出に、これを利用しようとしたのかもしれない。もちろん、これもまた毒。持統女上皇は、帰京してすぐに亡くなっているが、旅の疲れか、治療の失敗か。日本で初めてみずから火葬を望んだのも、その当たりの事情だろうか。
(by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。著書に『死体は血を流さない:聖堂騎士団 vs 救院騎士団 サンタクロースの錬金術とスペードの女王に関する科学研究費B海外学術調査報告書』『悪魔は涙を流さない:カトリックマフィアvsフリーメイソン 洗礼者聖ヨハネの知恵とナポレオンの財宝を組み込んだパーマネントトラヴェラーファンド「英雄」運用報告書』などがある。)
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2017.02.25
2009.11.12
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。