江戸末期安政6年の今日、日本は正式に自由貿易を開始し、「開国」しました。今から155年前のことでした。
今日、6月28日は「貿易記念日」です。
1859年6月28日(旧暦安政6年5月28日)、徳川幕府がアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、オランダの5か国との間に結んだ通商条約に基づき、横浜、長崎、箱館(函館)の各港での自由貿易の開始を布告しました。孝明天皇の勅許を得ぬままこの通商条約を結んだ大老井伊直弼は、尊王攘夷派ら反対派を徹底的に弾圧しました。後の世で「安政の大獄」と呼ばれる粛清の嵐が吹き荒れたのです。日本は大きな痛みを伴って、いよいよ「開国」しました。
現在は、主として燃料や原料を輸入し、自動車や電気機器など工業製品を輸出していますが、開国当時は茶や生糸を輸出し、毛織物や綿織物、艦船や武器が輸入されました。1867年(慶応3年)の長崎港での輸出品統計を見ても、茶がトップで、次いで石炭、人参、ロウ、昆布などとなっており、いわゆる一次生産品や原料が中心となっています。一方、輸入品は、相変わらず幕府や各藩が輸入した火器や艦船が上位を占めており、その他は綿織物、毛織物などとなっています。(なるほど統計学園)
日本は海外から原料を輸入し、加工して輸出することで経済を支えている「貿易立国」であると学校では教えています。2011年までの約30年間、輸出額の方が輸入額を上回る貿易黒字が続いていたことを根拠としているようですが、実際には、輸出依存度(輸出額÷GDP)は1980年代からずっと10%~15%と他国と比してもかなり低い水準にあります。あきらかに内需に依存しているのです。一方で、食料の自給率はとうとう40%を割り込みました。見えてくるのは、輸入した他国の資源をひたすら消費する日本の姿です。
開国してからの155年間で、日本はすっかり変わりました。3200万人ほどだった人口は、1億2千万人を越えるまでになりました。ごく普通に生きているだけで、仕事も食べ物も日用品も、その多くを輸入に頼るまでになりました。これから日本の人口は、増えたときと同じくらいの早さで減少する見込みです。貿易はまた、その構造を大きく変えていくことでしょう。
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