チーム・リーダー(または現場リーダー)は自分自身の実行力をどのように考えているのだろうか。十分にあると思っているのだろうか、それともほとんど自信はないのだろうか。 この実行力に対する意識について考えてみたい。
「実行」という言葉のイメージには、「自ら考え、自ら動く」というニュアンスが含まれる。通常、上司からの指示事項やミーティング、他部署との調整事項といったルーティンワークばかりの毎日を過ごしている人にとっては、「自分は実行している」という実感はつかみにくいのかもしれない。
今の管理職、役職者は、業種、職種にかかわらず本当に忙しい。若手社員は思うように採用できず、人手不足は顕著だ。ルーティンになっている仕事だけで手いっぱいの状態なのだろう。そうした状態の中で、「あなたには実行力があるか」と聞かれても、「あまりない」と答えるのが精いっぱいなのかもしれない。
経営者からすれば、役職者たるや「自分で考え、自ら実行する」ものだと認識している。(だからこそ役職を付与しているとの思いだろう)
そして、業績を伸ばすために新たな戦略を生み出し、とまでは言わずとも、自分自身で成果が生まれるバリューチェーンやプロセスを考え、現在のシステムの中で改善点を見つけ、ポーターの言う「業務効果」という価値を生み出してほしいと心から願っている。
(これを「実行(Execution)」と呼ぶこともある)
忙しいリーダーは、ルーティンの中での様々なイレギュラーな仕事に日々腐心している。役職者ともなれば、仕事の関与者は多い。他部門や部下など、実はさほど重要ではないような仕事に振り回されている。
実際、忙しすぎて手が回らないという管理職や役職者は多いが、むしろそうした仕事に自ら身を置いていると言ったほうが正しいかもしれない。
しかし、約9割のビジネス・パーソンが、「自分の実行力は十分ではない」と考えている状態はどう考えても健全ではない。
主任以上の役職者が、主体的に仕事ができていない状態は、組織の抱える大きな問題だろう。
次回は、この「実行意識」が、業績とどう関連しているのかを考えてみたい。
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2015.12.08