要介護者を対象とした「医療・介護」、要介護者対象の老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの「施設」に対して、税金をつぎこみ続けても問題はいっこうに解決には向かわない。
住み替えは、予防医療のようなものだ。高齢期に適した住まいに引っ越して、社会とつながりながら元気で楽しく暮らせば、衰えは遅くなり、寿命と健康寿命の差が縮まる。だから、健康寿命の延伸と社会保障費の削減には、健常高齢者の住み替えに対して予算措置をとるのが効果的だ。国が進める「生涯現役社会」「病院から在宅へ」という方針とも合致する。要介護者を対象とした医療・介護、要介護者対象の老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの施設に対して、税金をつぎこみ続けても問題はいっこうに解決には向かわない。予防注射や健康診断が当たり前になったように、高齢期の住み替えが衰え予防として当たり前のようになれば、超高齢社会の諸問題はかなり解決するはずだ。
高齢社会
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。