出雲に全国の神々が集まって、結婚、恋愛、健康などさまざまなご縁について会議を行うという「神無月」は、出雲にとっては「神在月」となります。
今日、11月5日は「縁結びの日」です。人々の良いご縁が結ばれる日をと、島根県松江市の「神話の国・縁結び観光協会」が制定しました。日付は11と5で「いいご縁」と読む語呂合わせです。
古くから縁結びの地として知られる出雲路。その出雲地方では神在月と呼ばれる旧暦の10月、全国から神々が出雲に集まり、結婚、恋愛、健康などさまざまな縁について会議が行われるとされています。今年、この全国から集まる神様をお迎えする「神迎祭(かみむかえさい)」は11月21日(旧暦10月10日)に執り行われます。神迎祭が終わるとようやく神々は旅(宿)社である東西の十九社に鎮まられるのです。
翌、旧暦10月11日から17日までの7日間、神々は出雲の地で神事(幽業、かみごと)、すなわち人には予めそれとは知ることのできない人生諸般の事などを神議り(かむはかり)にかけて決められるといわれています。この「神在祭(かみありさい)」の祭事期間中、神々の会議や宿泊に粗相があってはならぬというので、土地の人は歌舞音曲をさけ、家の建築などもせず、ひたすら静粛を保つ、となかなか大変なようです。そして、旧暦10月17日に神等去出祭(からさでさい)が執り行われ、神々はそれぞれの国へと還られます。
いわゆる宗教ということではなく、森羅万象に八百万の神が宿るという日本の古来からの「土着信仰」が、単純に好きです。八百万の神々が寄り集まって、縁結び(もちろんそれだけではありませんが)を相談するという光景は、考えただけで楽しくなります。宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」にもたくさんの神々が出てきていましたが、まさにあの楽しそうな油屋の風景が脳裏に浮かんでしまいます。
出雲大社も伊勢神宮と同じように「遷宮(せんぐう)」を行い、何度も新しくよみがえりながら今に生きる神社です。神域の静謐な森とともに、このお社も数々の祭事も、この先ずっと受け継がれていってほしいと思います。
※文中の神事に関わる記述については、 出雲観光協会「出雲観光ガイド」神在月 を参照させていただきました。
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