何事もウェブサイトで済ませることが多くなりがちだが、それがベストの選択につながらないことも実は少なくない。プロに選んでもらうことでベストの選択に素早く到達すると、人は本当に満足できる。
しかし結果は、残念ながら2日にわたってキャンセルは出ていませんというものだった。半ば予期していたので、小生は粛々とエコノミーで帰り便を確定させる気になっていた。とはいえ失望が顔に出ていたのかも知れない。
ここからが違った。応対してくれた担当者の方が驚異の粘りを見せてくれたのだ。彼女いわく、「同じビジネスクラスでも種類が色々とあり、往路のシートとマッチするものは既に売り切れですが、別種のものが一つ残っているようなので、調べてみます」とのことだった(なにぶんにも素人が聞いた話なので、正確にこんな言い方をしたのかは確かではないが)。
彼女は端末機をカチャカチャと操作したかと思えば、幾つか電話を架けた。多分、ニュージーランド航空の担当者とか、どこかの代理店なのかも知れない。この席を巡ってあれこれと会話をして、何とかそれを押さえる方法を聞き出したようなのだ。
そして小生にも幾つか確認してくれたのだが、こちらはビジネス席が取れたら御の字だから、例えば値段がエコノミーの倍程度になるのは全く承知で(むしろオフィスで当初聞いていた見込金額より安いくらいだった)、イエスばかり繰り返していた。
結局、このJTBの方は往復の国際線ビジネスシートを当方の希望の便で押さえてくれ、しかも値段は最初の見込よりさらに下がるように組んでくれた。
弊社が事前に調べたネット価格と比べると格段に安く収まり、代理店手数料を含めても随分安く収まることになった(もっとも、こうした出張費はクライアントに実費請求するのだが・・・)。何より重要なのは、国際線のビジネスシートを押さえることで、帰国翌日から仕事ができる見込みが立ったことだ。
もしユーザーである小生もしくは事務の人がネットで直接ニュージーランド航空のウェブサイトから予約していたら、あれこれと時間を無駄に使った挙句、結局のところ復路はエコノミー席しか押さえることができなかっただろう。プロの仕事に心から感謝している。
小生の落胆した表情を読み取ってくれた、リアル店舗ならではの経験だった。
少し余談を付け足す。実はその前にもちょっと似た経験に出遭った(リアル店舗ではなくネットと電話だが)。
以前このコラムで、某D航空で娘が既存会員番号のオンライン登録に難儀した話をお伝えした。 http://www.insightnow.jp/article/8319
その後、小生がヘルプデスクに問い合わせてみると、単純にトップページでの用語の問題で、どこから入るかが一般ユーザーに分かりにくいのと、FAQにも書いていないというウェブサイトの問題だった。ヘルプデスクの女性は簡明かつ適切に教えてくれ、すぐにこの問題は解決した。でもそれだけだったらある意味、当たり前だ。
そのあとで小生は、家族3人が固まって席を取れるように手配するため、ヘルプデスクでそのまま、台北との往復便を予約しようとした。事前にD航空のウェブサイトでは調べてみたのだが、特に往路(成田~台北)が直通便だとあまり望ましい時間帯ではなかった。それでもどこか他都市経由便に比べまだましなので、仕方ないと思っていた。
するとヘルプデスクの女性はすぐに提携のチャイナエアライン便を含めた複数案を提示してくれ、小生はそれに飛びついた。自分だけでウェブサイトで直接調べていたら、決して思い付かない選択肢だった。
地味だが、これもプロらしい、実に適切な仕事振りだった。
業務改革
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/ 弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/ 代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/