絶好の市場環境下で赤字を続けても根本的な改革に着手しないこと、それでも経営陣が叱責されないこと。こんな緊張感のない会社経営ではまともな人材は育たず、いずれ崩壊すること必至。
小生が驚き、かつ呆れたのは、一つにはこうした問題プロジェクトをその後も繰り返しているということだ。普通は最初の2~3件で大いに反省し、営業とエンジニア達の振る舞いを全く変えるよう、会社として躍起になるはずだ。
この会社では個々のプロジェクト採算が大赤字になることで大騒ぎにはなったそうだが、相変わらずその癖の悪い大手企業数社から受注を続け、傷口を広げているそうだ。仕事の進め方も根本的に変わったわけではなく、単にPMから経営陣への報告頻度が上がっただけだそうだ。
もう一つの驚きは、そうした経営状況にも拘わらず、経営陣の更迭や担当見直しはされていないとのことだ。明らかに経営陣の判断ミスと対処に関する怠慢が赤字につながっているのだから、上場企業である親会社から責任を問う声が上がるのが普通だと思うのだが、少なくとも表面上は何もないそうだ。
よくよく聞いてみると、この会社の経営幹部はほぼ全員、親会社トップの子飼いだそうだ。親会社からは出向ではなく転籍という形で、子会社でいいポジションを与えられた模様だ。そのため経営陣同士はとても仲がよく、業績を競うことも足を引っ張り合うこともないそうだ。
しかも業績のよい親会社からすると、この子会社の赤字はどうやら少なくとも現時点では大して問題視されていないようなのだ。
何とも不思議な事態だが、こうした緊張感のない経営を続けている限り、まともな人材が育つはずもない。この会社が自律的に赤字を脱することは難しいだろう。
会社は既に中から腐り始めており、遠からず外目にも崩壊が見えるようになると想像できる。そうなってから親会社が立て直しをしようと思っても、まともな人材は既に逃げ出しているのではないかと、他人事ながら心配になってしまう。
業務改革
2015.01.20
2015.02.26
2015.02.18
2014.07.29
2014.07.31
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2019.05.29
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/ 弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/ 代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/