怒りをコントロールする技術

画像: yamasan0623

2013.12.12

組織・人材

怒りをコントロールする技術

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

現代はストレス社会。 特に組織の中での人間関係の構築にとっては、感情にまかせたコミュニケーションは百害あって一利無しです。 人間の怒りという感情は、一節によると動物としての生きる本能上のリスクマネジメントとしての表現という考え方もあるとのこと。

本能である以上、まったく怒らないようにするということはできる相談ではないのであるが、怒りに振り回されてトラブルになったり、人間関係に亀裂の入ることのないようにしていくためにどうするかを考える。

まずもって、重要なポイントは、怒りという感情の元は怒りの対象としての出来事にあるのではなく、その出来事を受け止めて「怒り」という感情として反応した自分のアンテナの方にあるということだ。

この自分のアンテナの反応の仕方のもとになっているのが「コアビリーフ」と言われるものである。

「コアビリーフ」とは、誰もがもっている「自分が正しいと思っている信念・価値観」のこと。

「食べる時には、音を立てて食べてはいけない」だとか「遅刻はしてはいけない」とか「社長の言うことは聞くべきである」といった、~してはいけない、~するべきだ、といった自分の中にあるモノサシのことを言う。

この「コアビリーフ」という信念・価値観の存在が、怒りというものを増幅させたり、緩めたりする作用をすることになる。

自分のコアビリーフというものを自己分析して、このコアビリーフを修正していくことを「リフレーミング」と呼んでいる。

強固過ぎて頑固なコアビリーフや、時と共に歪んだコアビリーフは、怒りのもとになりやすいだけでなく、自分自身もがんじがらめになっていき、自分も周囲も幸せとは言えない状態になる危険性がある。

リフレーミングするために、アンガーマネジメントでは「アンガーログ」という、「怒り日記」をつけることを推奨しているという。

(1)怒った日時
(2)怒った場所
(3)怒るきっかけとなった出来事
(4)その時の自分の言動
(5)相手にしてほしかったこと
(6)怒ることで起こった結果
(7)その時の自分の感情
(8)10段階での怒りの強さのレベル

こうした記録を続けているうちに、自分の怒りの傾向がだんだん分かってきて、コアビリーフというものを振り返ることにつながる。

そして、徐々にリフレーミングをしていく元になるというわけだ。

アンガーログまでは、僕はとてもできそうもないが、コアビリーフはいつも見直して、リフレーミングするように努力はしているつもりだ。

そのおかげで、昔にくらべて、ずいぶん怒らなくて済むようになったと思う。

皆さんもぜひ試していただきたい。

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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