地味なニッポンの浄水剤メーカーが世界で称賛されている。その心意気と同時に参考にすべきは、発展途上国の人たちと共に歩むそのBOPビジネスモデルだ。
しかし日本ポリグルは最初からこうした「水ビジネス」を狙って現地に進出したわけではない。
小田会長が2008年にハリケーン被害で水事情が悪化した同地に乗り込んだ際は、純粋な援助として現地に出掛け、立派な簡易水道施設を作り、「あとは自分たちで」と引き揚げた。数ヵ月後、再び同地を訪れた小田会長は、使われずに放置されている施設に茫然としたそうである。
誰かが金属である蛇口を盗んだせいだった。しかしこれは責任ある施設管理者がいなかったためであり、そうした管理体制を築くためには「ビジネスとして回る」ようにしなければいけないと小田会長は考え、今の仕組みを作り上げたそうだ。
発展途上国に進出するニッポンの中小企業も増えてきた。先進国のように高価なものはなかなか売れないので、現地の人たちでも買えるような小分けしたサイズで売るようにしたことで拡販に成功した例が幾つかあり、それがBOPビジネスだと宣伝されている場合もあるようだ。
しかし日本ポリグルのケースに見るように、現地の生活基盤を改善すること、現地の人たちがそのビジネスに関わることで生活が安定し、それがビジネスの成功につながるという好循環を作り上げること。ここにこそBOPビジネスの極意があると思う。
アジア市場進出
2014.05.24
2014.04.24
2014.03.03
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2013.05.31
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2013.04.01
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
