製造業にもできるサービス強化のヒントを得る3点バランスチェック

2013.01.28

経営・マネジメント

製造業にもできるサービス強化のヒントを得る3点バランスチェック

松井 拓己
松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

製造業を含む全ての産業でサービスの重要性が高まっている昨今、サービス強化をどういう視点で行ったらよいか苦悩されている方が多いようです。そこで今回は、サービス強化のヒントを得るためのごく簡単なチェックの視点をご紹介したいと思います。

今回の例は農業でしたが、他にもこの3つの要素をバランスよく取り入れているサービスは、例えば製造業ではスマートフォンや自動車など、元気の良い業界が多いことが分かります。

このように、基本サービスメニューの3分類「モノ提供サービス」「情報提供サービス」「快適提供サービス」の視点で自社サービスを見直してみて、取り組んでいない部分やバランスの悪い部分が見つかれば、そこにサービス強化のヒントが見つかるのではないでしょうか?

例えば以前の記事“製造業に貢献するサービス化の4つの方向性”で触れた内容では、例えばタニタ食堂やルクエカフェ、KID-O-KIDなど、店舗に製品を並べるだけでなく、製品を実際に使って楽しめるサービスを提供する事で製品の魅力を伝える工夫をしているケースがあります。これは、「モノ提供サービス」に「快適提供サービス(楽しさ提供)」を加えたサービス強化と見ることができます。
また最近進んでいるレンタル事業化は、製品という「モノ提供サービス」よりも「快適提供サービス」の方に価値の源泉をシフトするサービス強化と捉えることができます。もちろんこのときレンタルサービスを活用したライフスタイル情報の発信など「情報提供サービス」が極めて重要になります。
このように、今注目されている製造業のサービス強化においても、基本サービスメニュー3分類のバランスを考えると、新しいサービス強化のヒントが得られるかもしれません。

■サービス強化のヒントが見つかったら
 今回はまずは簡単にサービス強化のヒントを見つけるための視点として、基本サービスメニューの3分類をご紹介しました。ここでなんとなくでもヒントが見つかったら、今度は本格的に腰を据えてサービス強化の検討を進めなければなりませんね。その際にやるべきことは、先ずはやっぱりお客様の事前期待を把握することです。

これまでの記事で触れてきたとおり、「サービスはお客様と一緒になって作るもの」「お客様の事前期待に適合したものをサービスという(事前期待に適合していないものは、余計なお世話などと言われてしまう)」というポイントが極めて重要です。勝手にサービスを作ってお客様にぶつけても、全く評価されないということはよくあります。是非、サービス強化を進める場合も、やはり「事前期待を掴まないとサービスは提供できない」という視点で取り組んで頂ければ幸いです。

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松井 拓己

松井サービスコンサルティング ・サービスサイエンティスト

サービス改革の専門家として、業種を問わず数々の企業を支援。国や自治体の外部委員・アドバイザー、日本サービス大賞の選考委員、東京工業大学サービスイノベーションコース非常勤講師、サービス学会理事、サービス研究会のコーディネーター、企業の社外取締役、なども務める。           代表著書:日本の優れたサービス1―選ばれ続ける6つのポイント、日本の優れたサービス2―6つの壁を乗り越える変革力、サービスイノベーション実践論ーサービスモデルで考える7つの経営革新

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