上場企業の社内規程の見直しを通して考える、本来の組織変革の在り方について
内部統制対応や文書化対応などを数年前に実施した上場企業でも、変更管理が規定されておらず、何かを止めるのに承認プロセスが決められていないといった相談は数多く、社員一人ひとりが「この事業はうまくいかない」とか「新しい事業を始めたい」といった外部環境に沿った意思(表明)が、とても重要であるのにも関わらず、見なかったことにされることも多くあります。
社内規程を「どうせ社員は目にしないから…」で片づけるのではなく、変化に応じて、社員が自発的に業務プロセスを見直し、マニュアルを改訂し、社内システムもそれら要求に応じて変更させる。そのための規程・社内ルールを定めることが、組織変革の重要な第一歩になると考えています。
そして、課題・リスクに気づいた際に仕事や業務プロセスの変化を要求し実践することを求める社内のルールに従って、その変化を生み出すために社員一人ひとりから集まる意思や要求に対して耳を傾け、情報を収集し判断して、決裁するのが、本当の変化していく組織における管理職のあるべき姿だと思うわけです。
ここまでの体制ができた後に、幹部教育やリーダーシップ研修はとても有効だと思うのです。
◆ ジェネレーション・ギャップと日本語に対する認識を越えて
会社組織は、年代の違いや育った時代背景を越えて、チームワークを発揮して事業継続していくものですが、高度経済成長の頃に子供だった役員の下に、バブル景気で楽々入社した幹部候補がいて、氷河期で人数の少ない中間管理職に、不景気とデフレしか知らない若手社員が組織を構成した場合「頑張れば報われる」という日本語が、どういう意味を持つのかについて共有しておいた方がよいでしょう。
頑張って報われたのはどの年代までか。
頑張って報われるのは、仕事上でどこまで経験したことがあるのか。
今の管理職は、頑張っていることを、本気で報いているのか。
各年代でどのような認識なのかについて、どこかでお話しいただいた方がよろしいかもしれません。
◆ 社内規程による変化のマネジメントについて
何故、社内規程を見直した方がよいのか。
先輩が後輩に食事を奢り、飲みに誘い、社員旅行をして…
そんな情報共有の方法が、これから先10年間維持できる会社であれば、変化を求めるルールを定めるというのは無意味かもしれません。
会社の経費で社員間の交流を実現しようとしても、若手社員は「それって仕事ですか?残業代でますか?」と返されるかもしれません。
個人的には、社内の付き合いはとても大切だと思いながらも、今後外国人の社員を増やしたいとか、雇用形態を多様化したいといった経営判断があるかもしれません。
文化や性別、年代によらず会社を継続的に発展させるために必要なものは「会社を発展させるための法令に沿った変化を求める社内ルールの策定」であると思います。
これが遠回りのようで、もっとも近道だと考えるのです。
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規程体系
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