無能大臣とさんざん馬鹿にされる田中防衛大臣。社員が過労死して有罪判決を受けたワタミの渡辺会長。人物の良し悪しではなく、コミュニケーション能力の視点だけで見てみました。
自分の正当性を主張したい、自分の言い訳をしたい、頭が良く見られたい、バカにされたくない、こうした気持ちがさわやか路線では致命傷になる恐れがあります。一方、最初からヨゴレを狙う田吾作路線は、バカにされてナンボ。いくら防衛の専門家を自称する人から攻撃されても逆にちっとも堪えないどころか、攻撃した指摘自体の間違いがわかって逆に信頼を損なうなんて言う、逆転技が出来たりします。
そーなんです。田中直紀氏の岳父・故田中角栄こそ、こうした田吾作スタイルで権勢を誇った「コンピュータ付きブルドーザー」というリングネームを冠された始祖だったのです。選挙や政局で負け続ける学級会政治家に比べ、かつての最強時代の自民党党人派のど真ん中、田中軍団と呼ばれた田中派の流れを汲んだ田中大臣やムネオ氏は、根っこが強いんでしょうね。動物としての生存能力というべきかも知れません。田中軍団の後継者・小沢一郎氏は最強自民党幹事長時代に、都知事選で候補が落選した直後に辞任しました。参院選や地方選等選挙で連戦連敗でも一切責任を取らず、党や政府要職に居座り続ける枝野だの、学級会政治家にこうしたお詫び能力は無いのだと思います。
田中角栄は、「謝る時は深々と頭を下げ、それも一辺の言い訳も反論もそぶりを見せないで詫びろ」と言ったそうです。誰にでも普段からペコペコしろというのではなく、ここぞという時、お詫び能力の高い人。これはやはりコミュニケーション能力がきわめて高い人といえるでしょう。
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株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。