グーグルのホーム・エンターテイメント市場進出で、いよいよアップルとの一騎打ちなるか?アマゾンやフェイスブックも控え、戦々恐々とする米デジタル・エンターテイメント市場の行方やいかに?
業界情報筋の噂によれば、ホーム・エンターテイメント機器の中でもグーグルが初めにフォーカスを置くのは「オーディオ機器」であるらしい。つまり、グーグルのクラウド型ミュージック・サービスから、家庭のワイヤレス・ネットワークを通じてグーグル・ブランドのオーディオ機器に音楽をストリーミングする。スマートフォンやタブレットなどアンドロイド搭載の携帯端末がリモコンの役割を果たすとも言われているが、詳細はまだ定かではない。
これが、アップルの成功を模倣する試みであることは誰の目にも明らかだ。現在、グーグルとアップルはあらゆる市場でぶつかっている。昨年からグーグルが手を染め始めたデジタル・コンテンツ・サービス(ミュージック、映画、電子書籍)、そして先に触れたモトローラの買収により、スマートフォンの市場でもいずれは衝突することになる。もちろん、これらの分野においてはグーグルはまったくの新参者であり、今のところアップルに圧倒的な軍配があがっている。
「ソフト+ハード」のビジネス・モデルでアップルとグーグルの一騎打ち、ということになるが、不気味なのはアマゾンの存在だ。「ハード」という面からいえば、アマゾンは昨年末のキンドル・ファイヤーのリリースによってデジタル・エンターテイメント・デバイスの市場に勢いよく討って出た。「ソフト」面では、電子書籍流通では押しも押されもせぬドミナント・プレイヤーであるキンドル・ストアをもち、デジタル・ミュージックや動画など他のコンテンツ・サービスのプッシュにも余念がない。
テック(デジタル)ビジネスに「聖域」はない。誰もが隣人の縄張りに今日にでも踏み込んでいける世の中だ。第二四半期に上場を控えるフェイスブックも、生活者/インフラ/パートナーシップの三つの点から、デジタル・エンターテイメントの主要プレイヤーになれる潜在性を十分秘めている。米国デジタル・エンターテイメント業界は、今後、アップルとグーグルの一騎打ち、ならぬ三つ巴、四つ巴の戦場になっていくのだろうか。
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ビジネス・モデル
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ダイナ・サーチ、インク 代表
ダイナ・サーチ、インク代表 https://www.dyna-search.com/jp/ 一般社団法人コア・バリュー経営協会理事 https://www.corevalue.or.jp/ 南カリフォルニア大学オペレーション・リサーチ学科修士課程修了。米国企業で経験を積んだのち、1982年に日米間のビジネス・コンサルティング会社、ダイナ・サーチ(Dyna-Search, Inc.)をカリフォルニア州ロサンゼルスに設立。米優良企業の研究を通し、日本企業の革新を支援してきた。アメリカのネット通販会社ザッポスや、規模ではなく偉大さを追求する中小企業群スモール・ジャイアンツなどの研究を踏まえ、生活者主体の時代に対応する経営革新手法として「コア・バリュー経営」を提唱。2009年以来、社員も顧客もハッピーで、生産性の高い会社を目指す志の高い経営者を対象に、コンサルティング・執筆・講演・リーダーシップ教育活動を精力的に行っている。主な著書に、『コア・バリュー・リーダーシップ』(PHPエディターズ・グループ)、『アメリカで「小さいのに偉大だ!」といわれる企業のシンプルで強い戦略』(PHP研究所)、『ザッポスの奇跡 改訂版 ~アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略~』(廣済堂出版)、『未来企業は共に夢を見る ―コア・バリュー経営―』(東京図書出版)などがある。