無理に何かよからぬことを探し出し、実は大したことではないのに大変なことが起こったようにして、その対応を一生懸命にやろうとする。そんな人は管理部門にいないだろうか?
平時に行動を起こすと、「“コストセンター”が余計なことをやっている」と揶揄されるが、コトが起これば「頑張っている。大変そうだ。」と評価されるのであれば、基本的には何もせず、何か起こった時に頑張ったほうが得だと考えるだろう。先々を見据えた戦略行動などは、コストを使って効果がなかったなどと言われて評価が下がるかもしれないので、自分達にとってリスクだ。こんな発想に染まってしまって、事件が起こったときだけ急に活き活きとしてくる管理部門の人達はいないだろうか。これが行き過ぎると、無理に何かよからぬことを探し出し、実は大したことではないのに大変なことが起こったようにして、その対応を一生懸命にやろうとするようになる。
確かに、管理部門の評価は難しい。しかし、このような評価が管理部門を事件待ち、指示待ちの受身の姿勢にしてしまっているのは確かだ。いい点数を取れるように地道に努力している子供よりも、テストで悪い点を取ったときだけ急に勉強する子供を褒めるような評価ではダメだ。高みを目指して継続的にレベルアップを図るチームよりも、負けたときだけしばらく頑張って練習するチームを評価しているようではいけない。余計なことをしない、何かあった時だけ頑張ってくれる指示待ちタイプを管理部門に配置しているほうが良いと考えている会社もあるようだが、それがどのような結果を招くかは、現状の人材や組織の状況と人事部門の大変さを見れば明らかである。管理部門に戦略性と企画力を求めるなら、評価を変えなければならない。
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組織というもの
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。