今回も「新卒採用の開始時期」という、中途半端で表面的な話に終わってしまった。その訳と経緯について。
ほかに今回、興味深いのは、多くの企業が採用広報・選考を12月に遅らせる雰囲気があることです。昔は、就職協定など有名無実であり、大手企業も含めてフライングが横行していました。その時期になってみないと分りませんが、今回は比較的この方針や協定が守られそうな感じがします。採用意欲が非常に低下したからかもしれませんが、これには、企業も大人しくなったなあという印象を持ちます。競争するより、決められたことは守ろう、それも“コンプライアンス”だろうといった考えなのかもしれません。
このような経緯を振り返ると、まさに学生不在と言えます。望ましい職業選択に向けた策について産学官が議論を戦わすことなく、選考時期・内定時期という極端に矮小化された調整に終始しており、それが20年以上続いてきています。職業について考えたり、仕事を体験したりする仕組みを作り、それを非常に長期で設定する、広告・宣伝ではない生の声を学生に届ける機会を作る。その上で全くの通年で、選考や内容時期の申し合わせがない自由な採用市場を作ることが、学生本位の就職の仕組みだと私は考えます。
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新卒採用
2011.10.19
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NPO法人・老いの工学研究所 理事長
高齢期の心身の健康や幸福感に関する研究者。暮らす環境や生活スタイルに焦点を当て、単なる体の健康だけでなく、暮らし全体、人生全体という広い視野から、ポジティブになれるたくさんのエビデンスとともに、高齢者にエールを送る講演を行っています。