博多どんたく港まつりは、動員数で国内最大級のお祭である。ゴールデンウィークのニュースでは、必ず動員数200万人超の記録が流されるのが恒例になっている。
7月開催の博多祇園山笠とともに福岡を代表する祭りのひとつが「博多どんたく港まつり」である。青森県弘前市の「弘前さくらまつり」や広島県広島市の「ひろしまフラワーフェスティバル」と並ぶ、ゴールデンウィークの全国的話題となるお祭りである。その動員数は、毎年200万人を超え、全国1位を誇る。
平安時代末期より広まった博多松囃子を起源とする「博多どんたく」は、太平洋戦争終結後の1946年5月に「博多復興祭」として子供山笠とともに松囃子どんたくが行われ。1957年に「博多どんたく松囃子港祭り振興会」が結成され、祭りの期間が5月3日と4日と制定。1962年「福岡市民の祭り振興会」が結成され、どんたくは「博多どんたく港まつり」と名称を改め、福岡市全体の祭りとして定着した。
市内の博多区から中央区にまたがる通を約1.3キロを練り歩く「どんたくパレード」が見所で、これらすべてを市民総参加形式で行う。今年参加する団体は、昨年より37団体多い676団体。参加人数は、3万人を超えるという。パレード以外にも、約30カ所に点在する特設会場では、「博多にわか」「花笠踊り」「ダンス」などの市民の手による出し物を観ることができる。当然、お祭りなので露天も立ち並ぶ。その数は、700店舗を超える。露天を巡るだけでも、子供たちは大喜びである。
・・・で、ここからが本題である。
「博多どんたく港まつり」は、おもしろいですか?と真面目に聞かれると・・・否である。
毎年200万人の動員があるのだが、、、絶対的な盛り上がりに欠ける。語弊はあるが、パレードは、各団体が、思い思いに歩いたり、踊ったりしているだけである。その衣装やバラエティ豊かなPRは面白いのだが、高知の「よさこい」や徳島の「阿波踊り」のように、熱いものも伝わってこないし、、、プロっぽいところも見られない。街中にある特設会場でやっている演目も、市民の趣味の発表である。どこを見てまわっても「ほのぼの」している。「ゆるゆる」である。
出演している人達は、きっと緊張もしているし、一世一大の舞台なのだろうが・・・何の関係もない人達が観てみると、それは、「ほのぼの」で「ゆるい」としか表現のしようがない。それでも、毎年200万人の動員があるお祭りなのである。どうして、このゆるーいお祭りに、こんなに人が集まってくるのだろうか。
何だろうこれは・・・。
この感じって何だろう・・・。
そう「文化祭」である。
「博多どんたく港まつり」は、市民の開かれた文化祭。
超・身内受けのお祭りなのである。
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有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。