震災の復興に多くの人が挑む中、感動を覚え、賞賛すべき方々は、とてつもなく大きな被害を受けながら、なおも支援しようとする人たちだ。私たちはそうした人を忘れてはならないし、応援しなければならない。
今年の益子の陶器祭りでは、「災害復興がんばろう益子」のステッカーを販売するが、この収益は、大堀相馬焼の生産地である福島県浪江町に全額寄付するという。
ここにも「被災者だが支援者たれ」の精神は生きている。ただでさえ不況によって厳しい時代が続いていた中での震災によって、そんな余裕などどこにもないはずだが、「がんばろう益子」での収益は、浪江町へと寄付される。
これとまったく逆の思いを持ったのが、日本フランチャイズチェーン協会から発表された数字だ。20日発表した3月のコンビニエンスストア主要10社の既存店売上高は、なんと前年同月比7.7%増だったという。
来店者数は、震災の影響などで前年比0.6%減であるにもかかわらずだ。内容を見ると、非食品が23.8%と買いだめ需要を反映し、乾電池やトイレットペーパーなどの紙製品の売れ行きが押し上げた。カップ麺や飲料などの加工食品は3.7%増だった。
言うまでもなく、この数値は被災地ではない首都圏で押し上げられたものだ。もちろん中には被災地へと送るべく、買いだめ、買占めをやむを得ず行った人もいるだろう。しかし、多くはほとんど意味のない買占めであったことは衆目の一致するところだ。いわば、「被災してもいないのに支援されたがる」行為だ。
被災地の復興は始まったばかりだ。「被災者だが支援者でもあれ」と叫ぶ人たちを忘れてはいけない。
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