結果につながらないブランディング

2010.08.31

経営・マネジメント

結果につながらないブランディング

星野 善宣

市場成熟化してきた現代、ブランディングの重要性は多くの企業が注目しています。けれど、思った結果に繋がっていない企業が非常に多いのが実態です。その原因には段階があります。今回は、なぜ結果に繋がっていないのか、この段階ごとに確認してみたいと思います。

ブランディングによってどういった状況にしたいかにもよりますが、結果につながっていないと思っている企業は多いようです(これは私が経営する会社で、御相談されることが多いので)。

結果につながっていない企業を解析すると、次のような段階にわかれます。
1.ブランディングを勘違いしている
2.ブランディングの仕方を間違っている
3.戦略と現実がかけ離れている
4.徹底できていない

1.ブランディングを勘違いしている


「ブランディング=ビジュアル、メッセージの統一」と勘違いしているケースです。イメージ統一は、確かにブランド戦略の一部としてはあります。けれど、統一感があるだけで、あなたは、その企業・商品を選ぶでしょうか?
こういう考えに陥ってしまうのは、ブランディングでどういった結果に繋げたいかを、
初期段階できちんと決めていない企業で起こりやすいです。どういった結果に繋げたいかを決めていれば、「イメージ統一」だけで結果に繋がるとは、考えませんね。

2.ブランディングのやり方を間違っている


ブランディングの1つの目的は、顧客が選ぶ理由を明確にすることです。ですが、ブランディングと言って、他社と同じポジションをとってアピール(宣伝、広告等)だけ強くしたり、インパクトあるネーミング、キャッチフレーズを作って、印象にだけ残ろうとしているケースもあります。
ブランディングを行う上で大切なのは、「○○と言えば、△△」と認知されることです。そもそも市場、お客様が、「○○と言えば」と考えないような切り口をコンセプトにしたり、「○○と言えば」既に強く認識される企業、商品があるのに、強引にそのポジションを狙うのは、誤ったやり方ですね。

3.戦略と現実がかけ離れている


このケースは、中小規模の企業で多いのです。ブランディングを進めていると、夢、想いが膨らみます。その結果、現実からかけ離れた戦略を考えてしまい、実現段階まで辿りつけていない企業があります。(これは恥ずかしながら、コンサルタント会社さんが入っている企業でも起こっています。)
夢、想いは大切ですし、必要です。けれど、ブランド戦略は実行できなければなりません。「実行できないこと=お客様への裏切り」になります。ブランドは約束でもありますので、裏切ってしまうことは当然、逆効果です。

4.徹底できていない


「絵に描いた餅」で終わってしまうケースです。経営陣、担当セクションで必死に考え構築したブランド戦略。ですが、実際に商品、サービスを提供するスタッフまで徹底できていなかったり、細部までは徹底できずにいる。そして、継続できずに途中でウヤムヤになってしまう。
ブランディングを結果につなげるには、根気と粘り強い意志も必要となります。ブランドを常にブラッシュアップし続けるには、徹底したブランドマネジメントが必要となります。

結果につながっていない企業は、この4段階のどこかに陥っています。逆に言うと、この4点をきっちり乗り越えれば、結果に繋げることができます。
これまでにもし、ブランディングが上手くいかなかったと思っている企業の方は、ちょっと確認してみて下さい。

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