選ばれ続けるブランド・アイデンティティ

2010.06.03

経営・マネジメント

選ばれ続けるブランド・アイデンティティ

星野 善宣

ブランド・アイデンティティを簡単に言うと、企業の個性要素です。マーケットが変化しようと変わらない部分。顧客に与える「約束」でもあります。 (不明確な、弱いブランドでは、そもそも、このアイデンティティを認知することが難しくなっています。)

ブランド・アイデンティティは主に4つの視点から構成されていると言われています(デービッド・A・アーカー著 ブランド優位の戦略 参照)

・製品としてのブランド
製品分野、製品属性、品質/価値、用途、ユーザー、原産国
・組織としてのブランド
組織属性(革新性、消費者志向、信用)、ローカルかグローバルか
・人としてのブランド
パーソナリティ(誠実、エネルギッシュ、無骨な)、ブランドと顧客との関係
・シンボルとしてのブランド
ビジュアル・イメージとメタファー、ブランドの伝統

これら4つの視点を統合したキャラクタが、ブランド・アイデンティティとしてとらえられると考えて下さい。

顧客は、このブランド・アイデンティティに共感して選びます。
ですから、企業ブランディングを再構築に挑戦し、このブランド・アイデンティティを見直すとき、注意して下さい。
主要な選択理由になっていた要素を変えてしまったら、今まで選んでくれた人はもう選んでくれなくなるかもしれません。ブランド・アイデンティティを変えようとするときは、上記の4つの視点を多角的に留意することが必要とされます。

人と同じです。
周りから認知されていた自分が突然変わってしまったら、どう感じられると思いますか?
「○○なところが好きだった」その○○が変わってしまったら。
自分としては良かれと思って変えたとしても、回りからは良くは捉えられません。

今までのお客さんと別れを告げ、新しいブランドとしてスタートするなら一掃してもいいかもしれません。(その場合、新しい会社を創ってしまったほうがいいですが。)

ブランド・アイデンティティには、マーケットが変わっても変えてはならない要素があります。アイデンティティのコア要素です。
最初に書きましたが、ブランド・アイデンティティは顧客との「約束」です。

信頼されるには、約束を守る。

単純ですが、こういった視点が強いブランド創りには大切です。

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