既存映写機を生かして3D上映‐富士フィルム

2010.05.27

経営・マネジメント

既存映写機を生かして3D上映‐富士フィルム

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

3D映画アバターのヒットや3DTVの発売など、映像コンテンツ産業では、3Dに注目が集まっています。 2009年、2010年は3D元年との声も上がっていますが、ジョーズ3Dとか13日の金曜日3Dとかかなり昔から3D映画ありました(前評判の割にはヒットしなかったと記憶していますが。) さて、今回の何度目か分からない3D元年が本当の元年になるかは分かりませんが、そんな機会を捉えた敬資源、敬エネルギーな商品・サービス開発事例をご紹介します。

環境商品・サービスの多くは技術イノベーションによるものが多く、技術が世の中に受け入れられないリスクや、初期投資の高さというのは、これらが共通して抱える課題です。

敬資源、敬エネルギーの時代を迎え、技術的に良いものが、機能的にすぐれたものができたから、単純に世に出せばよいという時代ではなくなっているのかもしれません。また、多くの分野で、単品の商品で勝負するのではなく、自社、サプライヤ、販売・サービスチャネル全体のビジネスモデルで勝負する世界になってきています。このような時代では、革新的な技術であればあるほど、既存の資源に敬意を払うこと、生かすことを考えることが、その普及の鍵になるかもしれません。

今回の富士フィルムの既存映写機を生かして3D上映を実現するという発想は、環境商品・サービスの開発、環境経営において非常に参考になるものです。

富士フィルムの狙いは、環境経営というよりも、自分達のビジネスである映画フィルムがデジタル機材の普及で陳腐化してしまうのを防ぐという純粋なビジネス目的のようですが、それが結果として、敬資源、敬エネルギーにつながるのであれば、それはそれで良いのではないでしょうか。

経済性を無視しては、どんなにすばらしい技術も普及しません。世の中に普及しなければ、どんなにすばらしい技術も社会に貢献することができません。対立すると思われている経済性と環境負荷削減の両方を同時に追求していくことが、より効果的なイノベーションや環境経営を効率的に生み出していくものと考えられます。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、調達・購買活動から環境経営に貢献する方法は数多くあると、環境負荷を低減する商品・サービスの開発やそれを支える優良なサプライヤの紹介など環境調達に関する情報発信活動を行っている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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