資生堂がグローバル最適調達に乗り出します。同社はこれまで約80カ国・地域の事業拠点ごとに調達してきましたが、品目ごとに適地に調達センターを設けて、世界中の自社工場や取引先に届ける体制への転換を開始しました。 今回は、この資生堂の取組みを題材に、集中購買vs分散購買の問題ならびにグローバル最適調達をいかに実現するかについて考えます。
集中購買を推進する上で唯一懸念されるのは、調達権限をカテゴリーマネージャーに集約させるので、その任に当たる者の力量で結果が左右される影響がより大きくなるという点です。この点につきましては、重複していた調達・購買機能をカテゴリーチームに集約するので、整備しなければならない調達・購買インフラへの投資や、育成すべき調達・購買担当者の数が少なくて済むことから、インフラ整備や育成に力をいれることで、調達・購買プロフェッショナルからなる専門的な能力を有するカテゴリーチームを形成することで回避します。
分散購買であっても、本来は担当者の育成や調達・購買インフラの整備を行なわなければならず、それに掛かる費用や手間は集中購買の数倍となります。残念ながら、そうした手間やコストを惜しむ企業が多く、分散購買の時には、最善の調達戦略が採択されないだけでなく、個々の調達・購買で見ても、取りこぼしが非常に多くなりがちです。
検討しなければいけないのは、グローバル最適調達へ進むのか否かではなく、ローカルの調達・購買ニーズの採択も含めて見極められるプロフェッショナルなグローバルカテゴリーソーシングチームをいかに効率的に構築していくかです。
※本稿は、弊社が発行しているメルマガ「週刊 戦略調達」の記事を編集・加工したものです。「週刊 戦略調達」は、調達・購買業務とそのマネジメント、コスト削減・経費削減のヒントを提供すべく、調達・購買業務のマネジメント、戦略調達のプロフェッショナルが、最新のトピックスから、調達・購買業務におけるトレンド、業務への影響を解説したものです。最近の記事のバックナンバーの閲覧やご購読は、http://samuraisourcing.com/knowledge/weekly/ にて行えます。
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株式会社 戦略調達 代表取締役社長
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