多くのビジネスパーソンが立ちはだかる仕事の「壁」について解説。
【殻を破ることにエネルギーを使う】
ある会社で課長・部長・取締役で、戦略思考を磨くための研修をした。戦略フレームを学んでケーススタディをし、自社の戦略を立案して全体で発表し合うという段取りであった。講師&ファシリテーターで参加して、グループに分かれての戦略発表を行った。
見るところ役員チームが、最も戦略思考の面だけで見るとレベルの低いものだったので、全体に警鐘を鳴らす意味で「役員チームが最もレベルが低い」とはっきり講評した。
発表を終えて、最後のまとめの時間にグループ代表に感想などのスピーチをしてもらったのだが、件の役員チームの代表が「実に不愉快だ」と、ご立腹のスピーチをされる事態となった。私はいつも率直なので、時々こういうことが起こるのだが、これも役目を果たす上では必要なことであると思い、心を鬼にして申し上げることになる。
この会社の役員チームは、自分たちの殻を破らなくてはならない局面に来ていることは明白だった。なぜならば、第三の壁を乗り越えるために必要な「現状分析力と、将来に向けた仮説能力といった、目に見えないものを見えるようにする能力」が怪しいまま偉くなった可能性があるからである。
年齢も年齢である。「大きな覚悟と相当な勉強」をしなければ、人、モノ、金といった経営資源を駆使して、利益を上げ続けていくこともできないし、社員達からの尊敬を集めることもできないだろう。講師に立腹するエネルギーを、自らの殻を破ることに使ってもらわなくては駄目だ。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。