「企業理念が大切だ」とよく言われるが、果たしてすべての企業に必要なものなのか、その存在意義を再考する。
そこそこ軌道に乗ってきて、成長局面になった頃からが問題です。
・新しい人材の獲得が必要になる
・成長のための新しい資金の獲得と、その使い道を判断することが必要になる
・軌道に乗せるまでは誰だって一気呵成で問題ないが、成長局面ではそのスピードを考える必要が生じる
・いくつかのチームが発生してきて、経営者がすべての判断をするのではなく、
権限を委譲する必要が出てくる
創業の燃えるような時期を一緒に過ごした創業メンバーでない人が、途中から入って来るようになると、古くからの人と新しい人との間に、精神的なギャップ(創業の精神を知っている人と知らない人)が生じることが最も大きなインパクトをもたらします。これを俗に「温度差」と表現するわけですが、これを取り除くことは、チームワークにとって最も重要な課題の一つとなりますが、日頃の忙しさに流されて、誰かが去ることでしか解決できない状態まで放置されることも多いのです。
このように考えると、創業時から商売として軌道に乗るまでの時期は、企業理念は必要なく、まずは利益を出して企業の体をなすことが先決ということになります。
私が経営しているマングローブも創業時から企業理念はありましたが、軌道に乗っていない中では、思い先行で現実味がなかったことを覚えています。3年間でなんとか軌道に乗せることができ、そこから現在の企業理念を制定したわけなんです。
軌道に乗り、成長のアクセルを踏もうとする段階で制定することで充分ということです。それは、それまでに自動的に発生していた「目的の力」を、明文化された企業理念等(後述する行動指針や社訓なども含めて)を駆使して、成長局面(あるいはその後の拡大局面)で、再度呼び起こそうとすること、というのが本質であるということを理解してもらいたいと思います。
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今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長
組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。