米所の星・「末広製菓」はシナジーのお手本か?

2010.03.25

経営・マネジメント

米所の星・「末広製菓」はシナジーのお手本か?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 米所、米菓王国として知られる新潟の菓子メーカー・末広製菓。静かなブームが広がるその製品に隠された、意外なる優良企業の姿を解き明かしてみる。

 末広製菓の場合、デリカ事業への進出は「デイリーヤマザキ」というグループ会社の販売拠点が確保されていることと、物流会社の「ヤマザキ物流」のロジスティック網が活用できる「販売シナジー」の効果は期待できる。しかし、米菓とデリカは製造工程や原材料も異なるため「生産シナジー」は働きにくい。安定稼働するためには並々ならぬ苦労があったと想像できる。それが、デリカ事業での端材を製菓事業に再利用するという発想は、何とかシナジーを発揮させようという努力の現れであり、「パンの耳スナック」はそれが形になった努力の賜なのだ。

 国内市場は縮小し、グローバーク競争はさらに激しさを増す。事業は規模化しなくては生き残れない時代に、経営統合や合併などが加速度的に増えるだろう。その中で、いかにアナジーを避け、シナジーを発揮できるかが生き残りのカギとなるのは間違いない。しかし、言うは易く行うは難しである。しぶとい取り組みが想像できる、米菓王国の小さな製菓会社の取り組みから学ぶものは多いだろう。

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

フォロー フォローして金森 努の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。