米所、米菓王国として知られる新潟の菓子メーカー・末広製菓。静かなブームが広がるその製品に隠された、意外なる優良企業の姿を解き明かしてみる。
末広製菓の場合、デリカ事業への進出は「デイリーヤマザキ」というグループ会社の販売拠点が確保されていることと、物流会社の「ヤマザキ物流」のロジスティック網が活用できる「販売シナジー」の効果は期待できる。しかし、米菓とデリカは製造工程や原材料も異なるため「生産シナジー」は働きにくい。安定稼働するためには並々ならぬ苦労があったと想像できる。それが、デリカ事業での端材を製菓事業に再利用するという発想は、何とかシナジーを発揮させようという努力の現れであり、「パンの耳スナック」はそれが形になった努力の賜なのだ。
国内市場は縮小し、グローバーク競争はさらに激しさを増す。事業は規模化しなくては生き残れない時代に、経営統合や合併などが加速度的に増えるだろう。その中で、いかにアナジーを避け、シナジーを発揮できるかが生き残りのカギとなるのは間違いない。しかし、言うは易く行うは難しである。しぶとい取り組みが想像できる、米菓王国の小さな製菓会社の取り組みから学ぶものは多いだろう。
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。