作業項目は、粗すぎると 管理精度が低下します。逆に、細かすぎると 管理負荷が高くなります。では、作業項目の適切な粒度とは?
■作業項目は 粗すぎても 細かすぎても ダメ!
本文での作業項目とは、(クライアントとも共有される公の)全体プロジェクトにおける作業の最小管理単位と捉えてください。いわゆる、エクセル等の詳細スケジュール表で、縦軸に並べられる作業項目。(もちろん、横は 時間軸。)で、これら作業項目は、作業の進行管理と共に 作業の進捗管理でも使用される事になります。
「作業項目は、細かければ 細かいほど 管理精度が上がって 良い。」なんて言う意見もあります。本当に そうだろうか?百歩譲って 管理精度は上がるとしましょう。でも、”良い”には同意できない。
例えばの極論ですが、作業を細かく細かく落とし込んでいって、、、 各項目の作業期間は”30分” そして、1日あたりの作業項目数は1000個。これ、とうてい管理できないですよね。作業担当者も 30分単位で管理されたら たまったもんじゃない。息がつまりますよね。トイレにも行けない!
作業項目は、粗すぎると 管理精度が低下します。逆に、細かすぎると 管理負荷が高くなります。作業担当者も きつい締め付けで息がつまります。そう、作業項目には、適切な粒度があるのです。
■WBSで作業を分解する。
作業項目は、WBS(work breakdown structure)といった技法を用いて作られるのが一般的です。大きなレベルの作業を階層的に分解していって、、、 最下層の最小レベルの作業要素が作業項目という事になります。プロマネの専門用語では、ワークパッケージと呼びます。
本題(作業項目の粒度)の話からそれますが、作業項目が洗い出されたら、ネットワーク図等を用いて 各作業項目の依存関係(Aが終わらないとBに着手できないとか)を明確化し、順序付けをし、作業スケジュール表を作っていくといった流れになります。
■どこまで分解すべきか?
WBSを用いて あるべき作業分解点(粒度)を考える前に、重要なポイントが1つあります。
それは、各作業項目の”粒度を揃える”という事です。揃える基準は、時間(作業期間)もしくは コスト(作業工数)。前述の通り、この作業項目は 進捗管理でも使用されます。なので、粒度がバラバラだと管理が煩雑になってしまいます。
では、粒度について考えましょう。
よく使われている基準としては、8/80ルール。これは、各項目の作業期間を8時間(1日)以上80時間(2週間)未満にすべきというルール。
また、1%ルール、2%ルールというものもある。これは、全体作業における各作業項目は 1%もしくは2%の時間もしくはコストとすべきというもの。言い換えると、1%ルールであれば、全体作業は 100個の作業項目で構成。2%であれば、50個の作業項目という事になります。
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2009.02.10
2015.01.26
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント
慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。