『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。
・商品について
販促と商品を同時にいじらないということに気を使ったという。どこを改造したら、どんな作用があったのかを見極めるためである。ヒットを生み出した「とろけるクレープ」が出来る前は、フランス系のモチモチしたクレープを販売していたという。講演では、「とろけるクレープ」が生まれるエピソードが語られた。
「新しい生地を開発していたときのことです。当社を贔屓にしてくれているスイーツライターさんに、出来上がったばかりの生地を食べてもらったんです。それまで出していたクレープはおいしいねって言われていたんですけど、新しい生地のクレープは非常においしくないと言われ、絶対に商品にしない方が良いとアドバイスを受けたんですよ。だから僕は、この生地でいこうと決めました。ライターさんの『おいしくない』は、『食べたことない』とイコールだと勝手に解釈をしたのです。なので、正直商品は一人で決めました。そこから、MDはほとんどいじりませんでした。創業のステージでのMDは、人に相談するよりも、売りたい人が売りたいものをつくることがベストだと思います。」
また、「とろけるクレープ」が生まれた背景として、次のように語った。
「最初は、強い商品をつくるというよりも、戦う場所を変えたんです。例えば、『とろけるクレープ』を一流パティシエのケーキですよと言って売ると強くないと思うんですね。これをクレープですよって売ると強い商品になる。なので、どこのステージで戦うかということがとても大事だなと。最初、僕たちがやった一番の失敗は、ミール系(※3)クレープで、既存のマーケットがないところで戦ったことなんです。お客様が評価できない場所だったということです。マーケットを作っていかなければいけないと気づいたのですが、これはものすごい大変だなと。そこで、一旦下がって、既存の日式クレープの世界でもう一度、戦い直したというか、急遽、舵を切りました。マーケットがあると、比べるものがあるから評価してもらえる。あそこのクレープよりもおいしいって言ってもらえるように、差別化商品を作った方がやりやすいですね。また、そうしたことで、『とろけるクレープ』の開発につながっていったのです。」
※3 ミール系
ハムやソーセージやツナなどのライトミールを食材としたクレープ。
参照 http://www.momiandtoy.com/menu/crape.html
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