【ビジネスにおける仮説とは?】Twitterでのつぶやきを振り返る。

2010.03.01

経営・マネジメント

【ビジネスにおける仮説とは?】Twitterでのつぶやきを振り返る。

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

先日、Twitter上で、若い方から、「仮説はデータから作るんですか?」と聞かれて、「ビジネスにおいては違います」というお話をしました。そのやりとりから私がポストした内容をまとめました。

⑨結局、儲かる未来を作るのは、儲かるビジネスモデルを組んで、回すということになります。ビジネスモデルとは何か?というと、関係者の間の約束事です。関係者の間を、価値とお金のやりとりが起こっています。そのやりとりをしているのは、人、企業ですね

⑩ビジネスモデルなんて、人が約束して回っているだけなのです。作用対象は物理法則が働くモノではなく、人ですね。ビジネスモデルが回るというのは、人がその仕組があると信じるに足りて行動してくれればそれでいいのです。

⑪そう考えると、「自然科学」とビジネスにおける仮説検証アプローチによってなすべきことは大きく違うのでは?というところまでわかると思います。ここでいう「自然科学」にカッコ付けをしているのは、ちょっと枠組みが古いと思っているからですが、それはまたの機会に

 基本的に、書いてあるまんまなのですが、振り返りましょう。

 データから仮説を抽出するというのは、自然科学において、法則をみつけるんだ!という視点からは設立するかもしれません。自然界の法則を発見するのが仕事なら、そうするのもいいかもしれません。

 でも、ビジネスでは、「市場の普遍的な法則を発見するのが仕事」なのでしょうか?まあ、そういう人もいるかもしれませんが、それは事業会社ですべき仕事でしょうか?

 会社には既に意思があります。ないなら経営者が作らないといけませんが。その意思の実現にいかに近づくか?が一番大きな問いです。

 そこに近づくためのロジックを組んで行くのです。その組むロジックが仮説ですよね。だれも未来のことはわかりません。これをこうすると、ここに近づくのでは?というのは永遠に仮説です。実現したとしても、本当に正しかったのか?はよくわからないですね。

 でも、そういったロジックを組んで、実行し続けるのが企業活動です。企画して、やる。企画して、やるなのです。

 それは、結局、自社のビジネスモデルを強固に組んで行く活動にほかなりません。

 そして、ビジネスモデルと言うのは、約束でできています。人と人の約束で出来ているのです。自然科学のように、物質がどうというお話しではない。

 そうすると、関係する人が、信じるに足ればそれでいいのです。そのための強い仮説なのです。そのための強固なロジック。論破されないロジックなのです。

 このへんのことがわかっていない人は、市場ではこうなっていました!とか、法則を発見した気になって喜んでいますが、法則を発見して、その法則をどう活かすか?ばかり考えていると、外部環境に依存した経営になります。成熟した市場では、市場のルールと思ったものが瞬時に変わってしまいます。

 成長市場が長く続く場合には、気長に市場の法則を探して経営してもいいですが、今の日本市場にはそんな市場はありません。

 といった感じですがいかがでしょうか?

 いきなりこれが全部わかって、実行できたらすごいですが、部分的にでも受け取れるものがあったら受け取ってみて下さい。

 それでは次回をお楽しみに。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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