コミュニケーションのワークで、「さくら」や「むし」、「なつ」など、一般的な言葉へのイメージを記述してもらうものがありますね。これは、自分が持つイメージと、人が持つイメージの違いを考えるためにやることが多いですね。
ただし、そのイメージの周りにある言葉、まわりにある概念を聞いていくと、どうしても、ある方向に引っ張られます。
それは、「今、大事なこと」「今、関心があること」です。
そういったものに引っ張られていくんですね。実際にワークをすると皆さん驚きます。
そして、自分が大事にしていることと、人が大事にしていることの違いを感じてくれます。
人は、自分の大事なものに関する問いを自分に発し続けています。
そういうのをセントラルクエスチョンと言ったりしますね。
それが、意外とその人を規定していたりします。
小説「グレートギャッツビー」で、その人がどういう人か知りたければ、何に怒りを感じているか?を知ればいいという言葉がありましたね。
「怒り」でなくても、何を大事にしている人なのか?を知れば、その人がどういう人かがわかると思います。
でも、それは意識化、言語化されていないこともあるかもしれません。
まあ、気づいていても、いなくても、それでいいのです。そういうモデルで捉えると、いろいろなことができます。
雑談中に、ニュートラルな話題を振ります。
その話題をうまく盛り上げる。
そうすると、必ず、相手が関心があることへと、話題が近づいていきます。
そこから、相手が大事にしていることを把握するのです。
直接、「あなたが大事にしていることは何ですか?」と聞く必要はないのです。
経営者や、リーダークラスの人間であれば、それなりの課題意識は持っています。
やや中立的な業界ネタをいくつか振れば、必ずその人の、課題意識に引っ張られていきます。
それをもとに、重要事項をしっかり把握して、提案をすればいいのです。
その大事なことのあたりのお話しを提案してあげればいい。
当然、いきなり提案書を渡すよりは、引っ張られている課題のヒアリングをした上で、提案書を作る必要はありますよ。
雑談から提案に持ち込める人、そうでない人の差はこのあたりのことがわかっている、いないに依存しているように思います。
その人は、何を大事に、何を課題に思っていて、中立的な話題はどこへと向かうのか?
それを注意深く観察してみてください。
提案への道が開けてきます。
簡単なようですが、難しい雑談から提案につなげるお話しですが、こんな視点で見てみると、少しは難度が下がるのではないでしょうか?
こういったナレッジが皆様のお役に立つことを心から祈ります。では、次回をお楽しみに。
シンキングメソッド
2009.11.30
2009.11.17
2009.11.09
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2009.03.02
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。