『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。
「2000年3月に大学(立教大学経済学部)を卒業し、出版社に就職する予定でした。まずは就職して、30歳までに起業をしようと決めていました。ところが、卒業旅行から帰った成田空港で、『中小企業論』の単位を落としてしまったことが発覚し、留年することになってしまったんです。それで、5年目の大学生活を送ることになったのですが、せっかくの機会なので、人脈や経験が起業に直結しそうなベンチャー企業で働こうと考えました。」
ベンチャー企業で働くにあたり、末田氏は、下記の5つの条件に当てはまる企業を探したという。
・ 興味のある分野
・ 伸びる分野
・ 独自性のある事業
・ 大手企業との取引実績がある
・ 設立直後で社員が少ない
「インターネットやモバイル業界が伸びることは明らかでしたし、広告分野に関心がありましたので、ネットで検索しまくって、条件に合致する2社を探し出しました。それまでPCすらほとんど使ったことがありませんでしたので、普通に考えたらベンチャーで働ける訳がないと思いました。そこで、給料はいらないから、とにかく働かせて欲しいと問い合わせたら、運良く1社から承諾をもらうことができたんです。成果報酬型広告のメディアレップ事業をしているスタートアップのベンチャーでしたが、業界内での注目度が高く、仕事でお会いした方から羨ましがられるような会社でした。働き始めてからは、早く結果を出そうと、土日なく朝から深夜までひたすら仕事に没頭していました。」
■若ければいくらでもやり直しができる
ここで末田氏は多くのことを学んだ。
「メディアレップをしていたので、メディア側と代理店側の双方のビジネスについて理解を深めることができました。また、どんなメディアが儲かるのか、どのような告知をしたら高い効果が出るか等、実務や業界に関する知識を得ることが出来ました。一方で、ネットビジネスに失敗している企業も数多く目にしました。」
講演では、ネットビジネスに失敗した会社には共通項があるとして次の4つを挙げ、起業時の教訓にしたという。参考になるので記したいと思う。
「ネットビジネス失敗企業に見られる共通項」
・システムコストをかけすぎている
・サービスが成立していないうちに広告に資本投下している
・人が多すぎる
・設立間もないのに、エントランス、家具がきれいすぎる
約1年間、同社で濃密な時間を過ごし、いよいよ大学卒業を控えたとき、このまま今いる会社に残るか、起業するか迷ったという。
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