「博多 一風堂」など、日本のラーメン界を牽引してきた河原成美さん。2018年に経営の第一線から身を引くという河原さんは、どのような人物に「一風堂を継いでもらいたい」と考えているのだろうか? [嶋田淑之,Business Media 誠]
あるいは、河原さんが手塩にかけて育てた力の源カンパニーのスタッフの中に、すでにそうした人材が何人も見出されているのかもしれない。ただ、いずれにしても、多くの顧客から四半世紀にわたって支持されてきた一風堂を筆頭とする同社の各業態が、世界各国への急拡大後も、そして承継後も、これまでと変わらない支持を得続けるためには主客一如型経営と、その実体的内容としての不変貫徹・革新断行型経営が必須の要件ではないかと、私見ながら思うのである。
前編で指摘したことであるが、同社の経営をめぐる不変と革新の識別基準について、最も深い部分は、河原さんの内部に言語化されることなく沈潜しているようにも見受けられる。もし、そうした筆者の観察が当たっているのであれば、それをいかに言語化し、形式知として、後継者たちと共有化できるかが重要なポイントになるように思われる。
日本伝統の老舗企業での承継の例を見るならば、それは言うまでもなく、会議室や研修ルームで修得させられるものではなく、公私にわたって生活を共にする中で、時に家訓として、一子相伝のようなスタイルで体得させられていったものである。
現代という文脈において、それをどのように行っていくか、河原さんと、同社のスタッフに課せられた課題は大きい。しかし、きっとやり遂げ、我々をまた驚かせてくれるのではないか。そんな気がしてならない。
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~「博多 一風堂」河原成美物語 終わり~
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「博多 一風堂」河原成美物語
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