誰かが見ていてくれるということ

2009.08.30

組織・人材

誰かが見ていてくれるということ

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

「頑張っていれば誰かが見ていてくれる」というのは、今やうそ臭いかもしれませんが、私はまさに見ていてもらったほうです。みなさんは見てもらえていないかもしませんが、でも、でも、誰かが見ていてくれるものだと思うのです。

 そうすると、暇で暇で。空手ばかりやっていました。

 でも、そんな時、暇?と聞いてきてくれる人がいました。そして、いろいろと仕事をくれました。

 経営層から組織改善のお仕事が、ある幹部に出て、その幹部から彼に仕事が振られていました。そして、こういうのができそうなやつということで、私にお鉢が回ってきたのでした。

 こういうような声がかかって、仕事をひたすら処理していると、だんだんと私に仕事が来るようになりました。そして、処理すればするほど、忙しくなっていき、評価も上がっていきました。

 一生懸命やっていると、見ていてくれる人がいる。それは本当にそうだと思います。

 で、多少部下がつくようになってからは、仕事を自分で作り出せるようになってからは、そういう頑張っているけど、報われていない人を見てあげられればな、と思うようになりました。

 私が、上司でもないのに、なぜかいつもそこにいる人たち全員のテンションやら、感覚やらを見てしまうのは、自分が見てもらっていたからかもしれません。

 自分が見て欲しかったから、私は人を見ているのかもしれません。この人、元気だなとか、急に元気がなくなったけど、どうしたんだろうとか。

 思うだけじゃだめかもしれませんが、いちいち声をかけるのもちょっと、とは思います。

 ただ、まともな上司なら、まともな幹部なら見ています。1人1人を自分の見れる範囲で見ているものです。そして、元気がある、元気がないというのもわかっていると思います。やる気に満ちている、やる気がちょっと落ちているというのもわかっていると思います。

 そして、たまーに声がかかるものです。

 不思議なお仕事がふってくるものです。

 私はひょっとしたら、すごく幸せで、ほとんどの人は見てもらえていないのかもしれません。でも、もしそうだとしても、私は見てあげたい、見ていてあげたいと思うのです。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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